「おすすめアート映画」を特集。世界の名立たる芸術家たちの人生を、名画と共に振り返ることのできるアートドキュメンタリーを中心にピックアップした。“アートの世界”は、知れば知るほど刺激的な世界。気になるアーティストの展覧会に行く前に、是非映画でその背景に触れてみてはいかがだろう?
トリックアート(だまし絵)で、世界的に知られるオランダ人版画家・画家マウリッツ・コルネリス・エッシャーの波乱万丈な人生と、その作品に迫るドキュメンタリー作品。エッシャー自ら綴った日記や1000を超える書簡、家族へのインタビューなどを手掛かりに、“視覚の魔術師”とも呼ばれる彼の素顔と創作の足跡を辿る。
美術史において最も偉大な画家の1人されるフィンセント・ファン・ゴッホ。しかしその名が世間に知れ渡るのは、惜しくもゴッホが亡くなってからしばらくたった後の話だ。本作は、まだ無名だった彼の作品に魅せられた1人の女性を軸に、生前のゴッホの人物像と作品にフォーカス。苦難に満ちた修業時代の素描画から、死の直前まで変化し続けた画風までを辿る。
有名画家のレプリカ制作を主な産業としている、中国・深圳市近郊のとある村を舞台に、“ゴッホに魅せられた”1人の複製画家の男に迫るドキュメンタリー。“本物のゴッホの絵を見る”という夢を叶えるため、オランダはアムステルダムを訪れるまでの過程をハートフルに描く。
20世紀の美術史において重要なアーティスト ジャン=ミシェル・バスキアの秘密に迫るドキュメンタリー。アンディ・ウォーホルにインスピレーションを与え、一流のアート・コレクターとしても名高いデヴィッド・ボウイのコレクションに名を連ねるなど、数々の名作を遺したバスキア。ストリート暮らしだった彼は、一体どのようにして“天才アーティスト”としての才能を開花させたのか?世界初公開となる、秘蔵コレクションと共に、そのドラマティックな人生に迫る。
映像、絵画、立体、写真、音楽など、様々な方法で表現活動を続けているデヴィッド・リンチの謎を紐解くドキュメンタリー作品。プライベート映像と共に、退屈だった美術学生時代、悪夢のような街フィラデルフィアの暮らし、長編映画デビュー作『イレイザーヘッド』に至るまでを描く。
「最後の晩餐」「モナ・リザ」など、歴史に名を刻む名画を遺してきたレオナルド・ダ・ヴィンチに迫るドキュメンタリー。“謎多き天才”と称される彼の知られざる人物像をはじめ、当時のミラノで最新テクノロジーを担った創作過程におけるメカニズムを、作品を交えて解き明かしていく。
日本を代表する前衛芸術家・草間彌生を追った、アメリカ制作のドキュメンタリー映画。複雑な家庭環境、芸術界における人種差別や性差別、自身の病...。そんな困難を乗り越えながらも、屈することなく創作活動に身を捧げ続ける草間のアート人生を辿る。
「芸術は爆発だ!」で知られる、日本を代表するアーティスト・岡本太郎にフォーカスし、彼の代表作「太陽の塔」が“何のために創られたのか?”という謎に迫るアートドキュメンタリー。岡本太郎に影響を受けた人々を含む、総勢29名へのインタビューをもとに、「太陽の塔」に込められたメッセージを解き明かす。
江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の真実に迫るイギリス製ドキュメンタリー。2017年イギリス・大英博物館で開催され、連日大行列となった北斎の展覧会「Hokusai: Beyond the Great Wave」にフィーチャーし、その展覧会の舞台裏や、北斎作品の魅力を紹介。映画制作にあたっては、イギリス人芸術家のデイヴィッド・ホックニーをはじめ、北斎研究に熱心な学者やアーティストたちが協力している。
「富嶽三十六景」などを生み出した“世界で最も有名な日本人”葛飾北斎にフォーカスした初の映画作品。数少ない忠実を基に、そのベールに包まれた北斎の人生を独自の視点と解釈によって紐解く。才能は認められながらも売れない絵師として筆をとり続けた青年期を柳楽優弥、芸術家としての情熱を失うことなく画才を磨き続けた老年期を田中泯が演じる。
アートの価格を題材に、アート市場の裏側に迫るドキュメンタリー。舞台となるのは、秋のオークション開催まで6週間と迫ったニューヨークのサザビーズ。オークショナー、ギャラリスト、評論家、アーティスト…と、それぞれの立場の様々な思惑や価値観がせめぎ合う。サザビーズの実際のオークションの様子などを通して、“アートの価値”をあらゆる角度から掘り下げていく。
“世界三大美術館”といわれるロシアのエルミタージュにフィーチャーしたドキュメンタリー作品。世界一ともいわれる膨大な所蔵品を誇るエルミタージュ美術館の真の姿と、250年もの時を超えて今なお特別な存在であり続ける理由に迫る。映像内には、レオナルド・ダ・ヴィンチの数少ない貴重な絵画、ミケランジェロの彫刻、ラファエロの絵画など、館内を彩る世界最高峰の美しいコレクションも登場。
比較的小規模であるにもかかわらず、「英国の至宝」「世界最高峰」など惜しみない賛辞を受けているイギリスの美術館「ナショナル・ギャラリー」を舞台にしたドキュメンタリー。館内に眠る数々の名画はもちろん、個性豊かな専門家たちのギャラリートーク、修復師の職人芸、そしてロンドン市民と共に時代を歩む美術館の姿をありのままに伝える。
2011年、全米の多くの美術館で展示されていた著名な作品の数々が、実は一人の男によるニセモノだった、という衝撃的なニュースが世間を騒がせた。本作は、その事件の張本人 マーク・ランディスを追ったドキュメンタリー。謎のニセモノ画家・ランディス本人や事件に関わった人々の姿を通して社会の歪みを浮かび上がらせていく。