エンダースキーマ(Hender Scheme)の2019年春夏コレクションが、直営店のスキマと全国の取り扱い店舗にて2018年12月より順次発売される。
2019年春夏の新作では、クラシックなシューズや、伝統的な靴の製法をアップデートした。常にコンテンポラリーなクラフトを続けるエンダースキーマの新しい創作が窺えるコレクションだ。テーマは“ニュークラフト(NEW CRAFT)"。
コンテンポラリーをキーワードに考えて制作したという「スカート(skirt)」は、本来であれば、木型にはめ込んでいくアッパーの吊り込み代をデザインとして捉えた1足。カウレザーとゴートレザーを組み合わせたアッパーは、まるでスカートの裾のようにひらひらと遊んでいる。クラシックシューズのような外羽のデザインに、敢えてスニーカーのようなシャークソールを採用することで、あらゆる製靴のテクニックをミックスした。
「トラップ(tarp)」は、新型のスクウェアトゥの木型に、クラシカルシューズとアウトドアの機能的シューズをドッキングしたデザイン。アッパーは、スムースのカウレザーと撥水性のある3レイヤーのナイロンで構成し、ドローコードで足首周りのボリューム調節を容易にした。本底は、アウトドアにも適した強靭なビブラム(Vibram)社のタンクソールを採用している。
“突然変異”という意味の“mutation”を名に冠した「ムーテイション 3 パイソン(mutation 3 python)」。前シーズンに展開した「ムーテイション 3」にパイソンを使用した新バージョンでの登場だ。クラシックなチャッカブーツをスニーカーのディテールで包み込んだ。タン裏にはゴムが仕込まれており、ギボシで止まっているアッパーのテープを片方外せば簡単に着脱ができる。
ベルトごとに異なる素材を使用したサンダル「トータス(tortoise)」。毛足の長いリッチなカウレザーとスムースレザー、スポーティーなナイロン素材のミックスで、奥行きを出して、立体感のあるサンダルを制作した。軽量かつ返りの良いかまぼこソールで、ボリュームがありながらほんのり柔らかな印象。
インドで手編みした植物タンニン鞣しのゴートレザー素材の「ハンドメッシュミュール(hand mesh mule)」は、伝統工芸のようなどこかノスタルジーな風合いと、春夏らしい涼し気な印象が魅力。アッパーは仕上げに磨きをかけて、ツヤ感をアップさせた。また、編み目がネットのように柔軟で、足あたりが柔らかなのも嬉しい。
植物タンニン鞣しの革を使用し、その経年変化をもデザインとして捉える「オマージュライン」。今シーズンはテクノロジーやハイテク素材をアナログな手法と有機的な素材で形にすることで、斬新な1足を生み出した。
ハイテクスニーカーを想わせるアッパーのデザイン全体を覆うのは、革に切り込みを入れ、水にぬらして形を記憶する革の特性を生かした編み目状のパーツ。また、通常のヌメ革よりも経年変化の遅いパテントレザーなど各所でテクスチャーが変えられているので、時を経てより豊かな表情が見られることだろう。