Y-3(ワイスリー)の2018年秋冬コレクション「NICE TO MEET YOU」が、2018年1月21日(日)にフランス・パリのグラン・パレにて発表された。
今季は、スタイリングを構成するレイヤードのテクニックが光った。ドレープカラーのクロップド丈ブルゾンは、ふくらはぎ中程まであるチェスターコートの上に羽織ったり、テクニカル素材のパーカーはトラックスーツを重ねたり。コンパクトなレザーブルゾンはインナーにロング丈のシャツをあわせて、ボトムスではズワーブパンツとジョガーパンツの組み合わせで足元までキチンとレイヤードした。
ヘムだけでなく袖口でもそれを強調していて、アウターを腕まくりしてトップスを見せるという着こなしも提案。袖にスリーラインがあしらわれたクラシックなラップコートの裾からは、今季のキーカラーであるイエローのプルオーバーが、そしてオープンカラーのオールインワンからはカッターシャツのクリーンな袖が覗いている。身体との空間を意識しながら楽しむレングスの遊びは、ただスポーティなものを重ねるわけではなく、トラッドなものも取り入れる。複雑化したスタイルの中には、これまでY-3 が大切にしていた部分とこれからに向けて進化する部分の両方を蓄えている。
新鮮さを加えたファブリックはインサイドアウトの手法でさらに多様性を導きだしたようだ。ライニングで使われるキルティングは、アウターやトップスとして主役級の役割をしっかりと務めている。また、フラワーパターンはリバーシブルのMA-1で提案。同柄のナイロンジャケットは、スケルトンの黒から花柄が透き通ってほんのりと映るようになっている。
常に進化し続けるY-3にとって、シューズは重視すべきアイテムのひとつで、今季も新しいスタイルが登場している。アディダスのアーカイブからインスパイアされた「Kaiwa」は、控えめなミッドソールによってミニマルな印象。また、靴下のようなフィット感を誇る「Ekika」は、滑らかなネオプレンメッシュのアッパーにスエードのアクセントとステッチのディテールを組み合わせた先駆的なスタイルだ。
もちろん、ブランドを象徴する「Y-3」のロゴとスリーストライプは、どんなアイテムにも寄り添っている。それをより主張的に表したのは大判のマフラーだろう。そこにはスリーラインが伺えるだけでなく、ブランドのヒストリーを想わせる「Y DON’T YOU CALL ADIDAS」、そして今季のテーマ、革新的なものを迎える言葉「NICE TO MEET YOU」も配されている。