トム ブラウン ニューヨーク(THOM BROWNE. NEW YORK)の2017年春夏メンズコレクションが、2016年6月26日(日)フランス・パリで発表された。広い会場の中央には、四角い砂地と漆黒のヤシの木が1本。木陰には人形のようなものがポツンと座っており、何が起こるのか全く想像ができない状態でショーが始まった。
映画『ジョーズ』のテーマ曲が流れる。その音楽が表すとおり、サメの頭をしたモデルが、ゆらゆらと“回遊”を始めた。四角い砂地はさながら「島」。その周りのランウェイは海であるかのように物語は進んで行く。
続いて現れたのは、大きなスーツのような形をしたウェットスーツに身を包んだモデルたち。ヤシの木を囲むようにスタンバイすると、人形と思っていた木陰の人が彼らを脱がせ始める。
中には、パステルカラーをしたスーツスタイルの紳士が。燦々と照りつける太陽をイメージしたオレンジ色のジャケットや、海をイメージさせる魚プリントのもの、雲と青空をそのままテキスタイルに乗せたようなものまでが、どれも3ピースのセットアップに仕立てられている。
ショー中に“空”を飛び交う鳥たちのスーツも圧巻。全面に羽毛を取り付けたラグジュアリーなウェアで、優雅な羽ばたきとともに、コレクションを見下ろしている。
後半は、ウェットスーツにスーツスタイルをプリントしたかのようなルック。全身が1つのウェアになっており、さながらセットアップを着たまま海に飛び込めるといった具合だ。また元に位置に戻ると、彼らはさらにその洋服までも脱ぎ始める。最初にスーツだと思っていた前半のウェアも実は水着仕様で、背中のジッパーを開けると簡単に脱げるものになっている。
完全な水着姿になった彼らは、一度裏に戻ると、サーフィンボードを持って再び「島」へ上陸。スイムウェアと同柄の表に、ブランドのアイコンであるトリコロールに染め上げられた裏。海辺を目一杯楽しめる、素敵なワードローブが披露された。