エトロ(ETRO)の2016-17年秋冬ウィメンズコレクションが、2016年2月26日(金)にイタリア・ミラノで発表された。
今シーズンのエトロは、赤と黒のチェック、発色のよいパープルなど、強い色彩に身をゆだねて、ダークな側面を覗かせている。強さを印象付けるのは、ライダースジャケットの登場だ。白い小花がアウターの上をランダムに舞い、幾何学模様が前身頃を走る。エトロらしいアレンジを加えているのだが、やはりアイテムはハードで刺激的。太いベルトがウエスト周りを飾り、大きなラペルがモデルたちの白い肌を隠すのだから。
一方で、マキシドレスも今季のアイコンの一つである。身体を包みこむ美しいIラインのシルエットから、ペイズリーやフラワーなどが軽やかな表情をみせる。その着こなしもバリエーション豊かで、上からニットを重ねてスカートに見立てたものから、ロングコートとマッチさせて細長いラインを助長させたもの、シャツ風ガウンを重ねてリラクシングに仕立てたものなど、さまざま。
ランジェリードレスもキーワードとして挙げられるだろう。繊細なレースをあしらったセンシュアルなアイテムは、ファー付きコートやショート丈のウールコートの下にひっそりと身をひそめる。また、ベルベットジャケットとのコンビも面白い。薄くデリケートな素材と、暖かく主張の強いファブリックのコンビネーション。こういった素材の対比が、エトロの表現を大きく広げている。