フェンディ(FENDI)の2020-2021年秋冬コレクションが、2020年2月20日(木)、イタリア・ミラノで発表された。
ファーストルックは、ボリューミーな袖を採用したピークドラペルのロングコートから。このふっくらとしたシェイプのスリーブは今季のシグネチャーのようで、ジャケットやシャツブラウス、ロングドレス、ボディスーツなどあらゆるアイテムに採用されて存在感を放っている。
この丸いフォルムの袖と組み合わせるのは、決まってキュッとウエストを絞ったピース。そのコントラストがボディラインをより一層強調するとともに、柔らかなムードと強いフェミニティを両立した女性像を浮かび上がらせる。
この柔和でセクシーな雰囲気は、色や素材選びにも反映されているようだ。キーカラーとなったのは、会場の床を埋め尽くしたふかふかの絨毯と同じ優しげなピンク。このペールピンクを主役に、素肌の透けるブラックレースやグラマラスなブラックレザーを組み合わせている。
遊び心あふれるアクセントを加えているのがバッグ&アクセサリー。既に発表されているメンズコレクションでも登場したビッグサイズのレザーショッパーが、アイコニックなフェンディイエローではなくペールピンクで姿を現した。フリンジやペイズリー柄をあしらったピーカブー、ロンドン拠点のアクセサリーブランド「カオス(Chaos)」とコラボレーションしたゴールドに輝くAirPodsケースなども、コレクションにリズムを与えている。
巨匠カール・ラガーフェルドがこの世を去り、2シーズン目となる今季は、これまでフェンディが描いてきた女性像に変化の兆しが見えるシーズンでもあった。細身で長身のモデルだけでなく、多様性のあるモデルキャスティングを行った。ランウェイにはプラスサイズモデルや、カレン・エルソン、キャロリン・マーフィー、リヤ・ケベデなど往年のスーパーモデルなどが姿を現した。