ファセッタズム(FACETASM)が、「メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京2016 S/S」初日の2015年10月12日(月)に、2016年春夏ウィメンズコレクションを発表した。
テーマは、イタリア・ミラノで発表したメンズコレクションと同じ「Ambiguous daze in my ambiguous days(曖昧な自己探求)」。コレクションノートには、デザイナー落合宏理の思いが詩的につづられているが、最後に一言「新しいってなに」と印象的なフレーズが添えられていた。
ショーは、解体されたパーツをリボンで結びつけたシャツ(の形状をしたウェア)から始まる。つづく、MA-1やエプロンスカート(のようなアイテム)も、一度壊されきゅっとリボンでつなぎ留められている。パーツごとの境目は、ショーが進むごとに徐々に開いていくようにも見えるし、切り目もよりジグザグに、結んだリボンの並びも細かく、変化しているようにも感じられる。
今季のコレクションを通して伝えられたのは、驚き。アイテムそのものだけが変形しているだけでなく、テーラードジャケットの上にシャツを羽織る、また、ジャケットを2重に重ねさらにシャツをプラスするといったコーディネート。それに、工事作業員のアウターに見られる蛍光色の差し方や、チャイナ服でのフォークロアの取り入れ方もそう。コーディネートはこうである、アイテムはこうであるといういつからか備わったイメージは崩壊され、新しいフォルム・着こなし・ファッションが提案されている。
フリル付きビスチェやプリーツスカートなどを混ぜ込みつつも、全体に流れる男性的な雰囲気。また、スポーツソックスやスタジャン、Tシャツなどでスポーツミックスをしているのも特徴の一つである。アイテム同士は主張し合い、複雑さが増していくものの、初めに見た“衝撃”は薄れていく。心が柔軟に対応しているのだろうか、まさに「新しいってなに」という感覚が余韻として残る。