アリサ・ナルヴァネンは、アールト大学の芸術デザイン大学在学中で、12月に学士号を修得する予定。エリナ・ペルトネンは、同大学の同学科から2011年5月に修士号を修得する予定。アリサは、ドイツ・フランスのブランドであるブレス(Bless)もとでベルリンで研修、エリナは、アントワープのデザイナー、ステファン・シュナイダー(Stephan Schneider)のもとで研修した。
アリサ・ナルヴァネンとエリナ・ペルトネンが自分たちの作品が類似していることに初めて気が付いたのは、2009年の春、お互いに気付かずに同じようなトラウザーを縫っていることがわかったとき。それ以来、二人は、コレクションを一緒に作るようになる。実際、二人は間もなく、同じ美的感覚を深く共有していることに気が付きく。それから共同活動は二人にとって非常に大切なリソースになり、その結果は、静かで力強く、少しひねったエレガンスとして現われている。そしてそのスタイルは、二人のバックグラウンドであるフィンランド、カレリア地方の文化背景の現代解釈を思わせるもの。
アリサとエリナのコレクションは、ユーモアと真剣さ、はかなさと粗さ、美しさと不器用さといったものが、分かれることなく溶けあってお互いを強調しあう雰囲気につつまれている。伝統的に年齢や性別を決めるために使われてきた素材やディテールを巧くミックス。服の多様な着方、柔らかいシルエット、着心地のよさが、使う人に解釈の余地を残すようにデザインされている。服の明確な特徴が自由であり、服を着る人の個性によっていちばん独創的な形をとることができるということが、デザイナーにとって大切なポイント。
このコレクションでアリサとエリナは、20世紀初めフィンランドで起こった戦後の恐慌時の必要性から生まれた創造力や才気から、特にインスピレーションを得た。マクラメを再解釈して、シンプルな布切れや紐を使うことにより、ユニークで装飾的な表情を作り出した。