アンリアレイジ(ANREALAGE)は2024-25年秋冬コレクションを、2024年2月27日(火)にフランス・パリのアレクサンドル3世橋の下にて発表した。
“オブジェクト”をテーマに掲げた今季は、「生物」としての人間と対極にある「無生物」、すなわちオブジェクトのための服を制作。従来“人間の体に合う服”を追求してきたファッションの常識を疑い、「体に合わない服」を考案するところからクリエーションをスタートさせた。
中でも注目は藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』とコラボレーションしたウェアだ。ドラえもんをはじめ、のび太やジャイアン、スネ夫、しずか、ドラミなどおなじみのキャラクターを彷彿させるウェアが披露された。
『ドラえもん』モチーフを落とし込んだのは、球体や三角錐、立方体、正八面体など、身体とはかけ離れた立体に添うパターンで作られたアンリアレイジのアイコニックなピース。プレゼンテーション会場では、頭につけると宙を飛ぶことのできるひみつ道具「タケコプター」がそれぞれの立体に配されており、各ピースが宙に浮かぶ演出とともに披露された。
ドラえもんを思わせるブルーとホワイトのカラーブロックを施したボールシャツは、実際に身にまとうと前合わせが緩やかにカーブしたアシンメトリーデザインに。アンリアレイジのロゴとドラえもんを総柄にしたボールスカートは、ゆったりと空気を含むようなドレープがポイントだ。
加えて、リーボック(Reebok)とのコラボレーションウェアも“立体”パターンで登場。リーボックのシューズ「インスタポンプフューリー94」を競技用ボールのように変換したダウンブルゾンには、ネオンカラーをメインにヴィヴィッドな配色を採用した。構築的なキルティングとロゴによって、スポーティーなムードを際立たせている。
また、立体をベースにしたパターンのウェアは、金・銀色に輝くメタリックなファブリックやカラフルなストライプ地でも提案する。ゴールドの三角錐ジャケットは、ハリのある質感ときらびやかな光沢により存在感のある佇まいに。
一方、赤白ストライプの正八面体シャツは、着用時のフォルムも元の立体が持つ造形とある程度呼応した形がユニーク。着ると身体の前後に立体的な空間が生まれるのが印象的だ。着るとドロップショルダーになる正十二面体のジャケット、ポンチョのように裾に向かって広がる正二十面体のジャケットも展開された。
©Koji Hirano