展覧会「横尾忠則 ワーイ!★Y字路」が、神戸の横尾忠則現代美術館にて、2024年1月27日(土)から5月6日(月・振)まで開催される。
「横尾忠則 ワーイ!★Y字路」展は、横尾忠則が2000年より継続的に手がけてきた「Y字路」シリーズを紹介する展覧会だ。シリーズの原点である初期作品から新近作にいたるまで、「Y字路」シリーズの多彩なバリエーションをたどってゆく。
「Y字路」シリーズの契機となったのが、2000年、横尾が故郷の兵庫・西脇で撮影した、夜のY字路の写真である。ここで、横尾にとって見慣れた景色は、中央の建物は白飛びする一方、左右に分かれた道は闇に溶け込み、異質な風景へと変貌していた。この写真に着想を得た横尾は、市内の夜のY字路を撮影した写真をもとに、「Y字路」シリーズを手がけてゆくこととなる。本展では、同シリーズの起点となった「暗夜光路 N市」の数々を目にすることができる。
横尾は、2002年より開催された展覧会のために、17点の「Y字路」新作を手がけた。それ以前の「Y字路」は、比較的モノトーンでまとめられ、光と闇の対比を重視していたことに対して、2002年の作品は、より鮮やかな色彩を特徴としている。これは、他者が撮影した写真を積極的に活用するとともに、必ずしも横尾と地縁のあるわけではない風景写真を、素材として自由に使うことができたためだといえよう。会場では、《本性の模写》や《朱い水蒸気》など、大胆な色彩の対比で描かれた作品を紹介する。
「Y字路」シリーズは、2004年の展覧会の際に公開制作された「宮崎の夜」以降、たびたび公開制作されている。これは、Y字路というモチーフが、公開制作に適しているためだといえる。その理由として、写真を見つつ描くこと、左右に分かれた道の奥に消失点を設定して描き始めるというように、最初の手順がパターン化されていること、そして安定した構図のために、即興的に要素を描き加えることを挙げることができる。本展では、《宮崎の夜 - 眠れない家》など、公開制作による作品を展示する。
会場では、2016年以降における、「Y字路」シリーズの新たな展開も紹介。2016年、箱根彫刻の森美術館での展覧会のために描き下ろされた《At Box Roots》に加えて、《回転する家》や《ギルガメッシュとMP》などを目にすることができる。
展覧会「横尾忠則 ワーイ!★Y字路」
会期:2024年1月27日(土)〜5月6日(月・振)
会場:横尾忠則現代美術館
住所:兵庫県神戸市灘区原田通3-8-30
開館時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜日(2月12日(月・振)、4月29日(月・祝)、5月6日(月・振)は開館)、2月13日(火)、4月30日(火)
観覧料:一般 700円(550円)、大学生 550円(400円)、70歳以上 350円(250円)、高校生以下 無料
※( )内は20名以上の団体割引料金
※障がい者は各観覧料金(ただし、70歳以上は一般料金)の75%割引、介護者1名は無料
【問い合わせ先】
横尾忠則現代美術館
TEL:078-855-5607(総合案内)