ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)の2024年夏コレクションを紹介。
「家族、自由、そして流動性」をテーマにしたというステラ マッカートニーの2024年夏コレクション。印象的なのは、ファーストルックにおいてすでに顕著なように、白と黒、ホットパンツとテイルコートなど、一体の中に対照的なディテールが混在している点だ。
これが示すのは、今季が性別や世代などの境界を曖昧にしたボーダーレスなコレクションであるということ。その方法として、ステラ マッカートニーのアーカイブが、生地使いやプロポーションはもちろん、デコレーションにおいて再解釈を経て提案されている。
例えば、柔らかなストーンカラーにブラックのピンストライプを配したスーツは、ラッフル付きのドレスシャツやダイヤモンドが煌めくボディスーツと合わせて。その他、クリスタルをちりばめたホットパンツやカマーバンド、ダイヤモンドをあしらったデニムパンツなど、動きのある装飾が自由な流動性を象徴している。
たっぷりとしたバルーンシルエットを用いたドレスやブラウスにも注目。軽やかで透け感のあるシルク素材を、クリアなホワイトから柔らかいカナリアイエロー、ミント、ヌードカラーまで自由に彩り、“透明感と不透明感”を行き来する気ままな遊び心を表現した。
また、デザイナーのステラ・マッカートニーは、元ビートルズのポール・マッカートニーとリンダ・マッカートニーの次女としても知られる。テーマの1つである“家族”を表現する試みとして、両親のツアー生活を着想源に、ロックバンド「ウィングス」のツアーグッズに描かれていたグラフィックをTシャツに落とし込んだ。
シューズでは、ターバン風のツイストアッパーが目を惹く新作パンプス「テラ(Terra)」がお目見え。さらに、コルセットレースとポインテッドトゥが上品な甘さを醸すバレエフラットシューズや、ツイストシェイプの「ファラベラ」ローファーが展開された。