コンダクター(el conductorH)の2024年春夏コレクションが、2023年8月29日(火)に発表された。
「suppression(感情・活動・苦痛・力などを抑えること)」と題した今季のコンダクター。2023年6月ファッションウィーク期間中のパリを訪れたデザイナー長嶺信太郎は、日々市内で様々な主張を展開する人々を目にする。日本ではあまり見ないような光景を見たことから、当たり前だと思い込んでいる日常の中でも、実は“本来の感情や活動が抑圧されているような状態は自然ではないのではないか”。そう考えた長嶺は、抑圧からの解放、自由になるべくもがいている人々の姿にフォーカスしたコレクションを提示する。
今季のポイントとなるのは、エレガンスとアンチテーゼの共存を目指したルックだ。たとえばセットアップは、グレンチェックウールの上から有刺鉄線を格子状に顔料プリント。クラシックさの中に、どこか殺伐とした雰囲気を落とし込んでいる。
また、同様の意図が見られるルックとして、ズタズタに引き裂かれたスウェットパンツやデニムパンツ、ショルダーなどの継ぎ目が露わになり中綿が確認できるブルゾンなどが挙げられる。退廃的なアイテムとトラッドな要素を持つアイテムをコレクション内に混在させ、エレガンスと反骨精神の共存を図ったのである。
前回に引き続きウィメンズアイテムも展開。スクールガール調のスタイルをベースとしつつも、異色なアイテムを組み合わせることで、抑圧された環境下に置かれた内面的な葛藤を表現している。いわゆる制服によく見られるチェックのミニスカートに、パープルやイエローといった鮮やかで印象的なスカジャンを合わせたルックは、その意外性を表した好例だ。
2シーズンで継続して展開するブラックミーンズ(blackmeans)のとのコラボレーションシリーズの新作にも注目。ネパールの職人技が光る複雑な編み地を施したハンドニットベストに加え、ブラックミーンズ定番のコインケースが登場した。
足元を品よくまとめあげるのは、老舗靴メーカーハルタ(HARUTA)とのコラボレーションシューズ。オリジナルのメッキパーツをつけたタッセルが印象的だ。ルーズソックスなど長めの靴下と合わせて披露された。