2014年4月1日(火)、トリコ・コム デ ギャルソン(tricot COMME des GARÇONS)の2014-15年秋冬のフロアショーが披露された。テーマは「エレガンス」。
胸下の高い位置からふわりと広がるドーリーなシルエットが中心だが、どこか強さも垣間見せる、そんな独特のバランス感が今季の特徴。ファーストルックのコートは、広いラペルと、ビニルのような光沢感のある質感がパワーを感じさせる。一方、トリコらしい丸襟やボレロ風のシャツやケープのようなシルエットにより、クラシカルで“お嬢さま”な雰囲気に。ほぼすっぴんで眉だけキリリと描いたメイクのモデルの表情からは、ナチュラルさと意志の強さを感じさせる。前半は、ほぼオールブラックでまとめられた。
柄として特徴的なのは、中盤以降に出てきたダマスク柄を思わせるフラワー。それに梅の花やバラのフロッキーも登場した。立体感のある柄のテキスタイルを拡大して転写し、色とりどりにパッチワーク状にしたプリントがユニーク。ロンググローブや襟など部分的にブラックを差し込むことで、引き締まる。前述のビニル素材に反して、後半に多く用いられた、光を吸い込む深みのあるベルベットは、コレクション全体に「質感」のコントラストを生み出している。ミッドナイトブルーやパープルなど鮮やかなカラーが、ダークカラー中心のコレクションの華やかなアクセントに。
終盤に登場したダウンジャケットとダウンのフレアスカートのセットアップは、立体的でボリューム感のあるシルエットが可愛く、またとても暖かそう。全体はブラック、カーキ、ネイビーを中心としたカラーパレットや上品な質感のテキスタイルにより、知的なベビードール・スタイルに仕上げられた。