定年退職し、妻のモーリーンと平凡な生活を送るハロルド・フライ。ある日北の果てから思いがけない手紙が届く。差出人はかつてビール工場で一緒に働いていたクイーニーで、彼女は延命措置を目的としない治療施設、ホスピスに入院しており、余命幾ばくもないという。ハロルドは返事を出そうと家を出るが、途中で心を変える。ハロルドにはクイーニーにどうしても会って伝えたい“ある想い”があったのだ。ホスピスに電話をかけたハロルドは「私が歩く限りは、生き続けてくれ」と伝言し、手ぶらのまま歩き始める。歩き続けることで、余命わずかなクイーニーの命を救う願いをかけるハロルド。目的地までは800キロ。彼の無謀な試みはやがて大きな話題となり、イギリス中に応援される縦断の旅になるが…。
映画『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』は、英国文学最高の賞であるマン・ブッカー賞にノミネートされた小説『ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅』を原作とした物語。定年退職して平凡な生活を送る主人公、ハロルド・フライが、かつての同僚・クイーニーの余命を知ったことをきっかけに、目的地まで800kmの“まさかの旅”へ挑む姿を描く。主演はジム・ブロードベント。