手作り模型や手描きのイラストにこだわるデザイナーの悟。携帯を持たない謎めいた女性、みゆき。喫茶店「ピアノ」で出会ったふたりが交わした、たったひとつの大切な約束。
“毎週木曜日に、この場所で会いましょう”
週に一度だけ。連絡先を交換せずに会える時間を大切にして、ゆっくりと関係を深めていく。想いを募らせた悟は、みゆきにプロポーズすることを決意。しかし当日の木曜日に、みゆきは現れなかった……。
映画『アナログ』は、80年代の漫才ブームを牽引し、お笑い界・映画界で今なお第一線で活躍するビートたけしによる初の書き下ろし恋愛小説が原作。全てがデジタル化されている世界だからこそ、当たり前の「誰かを大切にする」という気持ちを書きたくなったという恋愛小説『アナログ』は、刊行から約1か月で10万部を突破した話題作だ。
監督を務めるのはタカハタ秀太。長編映画デビュー作『ホテルビーナス』でモスクワ国際映画祭コンペティション・パースペクティブ最優秀作品賞を受賞し、『鳩の撃退法』など、上質なドラマを丁寧に紡ぐことに定評がある。脚本を担当するのは、『あゝ、荒野』や『宮本から君へ』、『MOTHER マザー』など、もがきながら生きる人間の機微を繊細に、時に骨太に描き出す港岳彦。