麻布テーラーは、メルボ紳士服の系列会社メルボメンズウェアーが展開しているオーダースーツ専門店。
1918年に大阪で創業し、老舗の紳士服メーカーとして知られたメルボ紳士。69年、メルボ紳士服のグループ企業として、メルボメンズウェアー株式会社が設立。メルボメンズウェアーからオーダースーツ専門店「麻布テーラー」を展開。
顧客が気に入った生地、色、柄、デザイン、ディテール(ボタンの色など)に加え、それぞれの体型に合わせてスーツを仕立てるレディ・メイド・オーダーシステムをいち早く採用した。その他、既製服のラインも展開した。
メルボ紳士服は、クオリティを重視し、高級感を打ち出して好評を得るが、青山商事など安さで勝負する企業に押されて経営が悪化。2001年、民事再生法を適用した。
2005年、伊藤忠商事が「麻布テーラー」の商標権を取得。背景としては、2000年代に入り、成長を続けていた麻布テーラーのブランドをさらに成長させようという戦略があった。麻布テーラーは伊藤忠商事の支援のもと経営再建を図り、東京、名古屋、大阪と順調に新規店舗を出店する。
現在の麻布テーラーは、イージー・オーダーに一本化し、商品も自社ブランドで統一されている。デザインやスタイルも「ファッショナブルな志向のある若いビジネスマン」をイメージし、デザインは若返りをみせた。
縫製はすべて国内の直営工場などで行われている。国内産の生地を使用する他、インポートの素材に関しては、主にイタリアとイギリスから調達。エルメネジルド・ゼニア、ハリソンズ・オブ・エジンバラ、テイラー&ロッジなどの歴史のあるテキスタイルメーカーから仕入れている。