ボビイ ブラウン(BOBBI BROWN)は、メイクアップ アーティストのボビイ ブラウンが創業したメイクブランド。主に百貨店に出店している。
ボビィ ブラウンは、「BEAUTY BEGINS WITH YOU」をビジョンに掲げるコスメブランド。メイクアップコスメの他、スキンケアも揃える。
■メイクアップ アーティストになるまで
創業者 ボビイ ブラウンがメイクアップに夢中になったのは、幼い頃に母の化粧品のコレクションを見つけ、わくわくした時に始まる。働ける年齢になるとすぐに、ボビイは地元の小さな化粧品店を訪ね、そこで初めて化粧品の現場を体験することになる。
その後、ボビイはボストンのエマーソンカレッジで勉強を続け、舞台メイクで美術学士号を取得。卒業後はプロのメイクアップ アーティストとして働くためにニューヨークに移り住む。そして、自分の作品を様々な人に見てもらい、一流の雑誌、写真家、モデルとの仕事につながった。ブルース・ウェーバーの代表作となる写真、アメリカ版『ヴォーグ』に掲載されたアーサー・エルゴート撮影のエネルギッシュな写真、『コスモポリタン』や『Self』用に故フランセスコ・スカヴロが撮影した、髪を風になびかせた魅力的なポートレイトなど、次々にボビイの仕事が発表された。
ボビイが一躍有名になったのは、1987年アメリカ版『ヴォーグ』の表紙。写真家は有名なパトリック・デマルシェリエ、モデルは彫刻のように美しいナオミ・キャンベル、そしてメイクはボビイ ブラウン。単身ニューヨークに乗りこんでから7年で、ボビイは世に認められ、業界で注目されるメイクアップ アーティストになった。
■ブランドを立ち上げてから現在まで
メイクアップ アーティストとして成功を手に入れたボビイは、市販の化粧品を何でも自由に選んで使うことができる状態にあったが、仕上がり感が気になっていた。フリーランスのキャリアを10年ほど積んだころ、雑誌の写真撮影でひとりの科学者と出会ったことが、自身のブランドを立ち上げるきっかけとなる。
この時、「私はリップスティックを作りたいと考えていました。匂いがなくて、乾いたりべたついたりしない、唇をより自然に、そしてよりきれいに見せてくれるようなものを。その科学者にそう話したのです」と、ボビイは語っています。
そして、ピンクブラウン系のまったく新しい配合のリップが誕生。その後すぐに、ブラウンベースのリップ カラーがさらに9色生まれ、ボビイのリップスティックセットが完成した。
1991年、ブランドの最初の製品であるリップ カラー 10色が登場。NYの高級百貨店バーグドルフ グッドマンで販売、一週間で一ヶ月分のリップスティックを販売するという記録的な売り上げを作り、センセーショナルなデビューを飾る。このリップカラーは、ボビイ ブラウンの原点ともいえるアイテム。自分が使いたいと思うリップカラーがないと自ら作ることになった伝説の10本の口紅だ。
1992年、スキントーン・コレクトという新しい概念の元、イエローベースのファンデーション スティックを発売。メイクアップ界に革命を起こす。
美容業界におけるこの革命に、化粧品会社の老舗エスティローダーが注目。ボビイ ブラウン コスメティクスは創業からわずか4年後の1995年にエスティ ローダーグループに加わることに。
1998年、日本における第一号店を池袋西武にオープン。
日本でもアーティストブランドとして、メイクのトレンドを作りあげ、2001年「ロングウエア ジェル アイライナー」、2003年「シマーブリック」、2005年「ポット ルージュ」など、数々のスター製品を世に送り出す。
また、ボビイは「NUDE ON NUDE」という、素肌の上に素肌を重ねる。何もつけないのではなく、ファンデーションをつける事で素肌感を作る、つまりヌード肌に仕上げることを大切にしている。
どんな肌トーンもナチュラルなヌード肌に仕上げることができる「スキン ファンデーション スティック」、パウダーなのにリキッドのような密着感でしっとりと艶やかな素肌のような仕上がりの「スキン ウエイトレス パウダーファンデーション」、 冬虫夏草を始めとした美容液成分を贅沢に配合し、まるで美容液を塗っているような“美容液ファンデ”「インテンシブ スキン セラム ファンデーション」など、「NUDE ON NUDE」をコンセプトにしたヒット製品を発売。消費者のニーズにあったファンデーションを届けることで、ファンデーションハウスとしての地位を築き上げ、さらに進化し続けている。
2016年、創始者・チーフ クリエイティブ オフィサーであるボビイ・ブラウンがエスティー・ローダー カンパニー および ボビイ ブラウン ブランドから退任。
2018年、ジェイコブ・ドゥシェクがボビイ ブラウンのグローバル・クリエイティブSVPに就任。ドゥ・ラ・メールとの兼任となる。
2021年、世界的メイクアップアーティスト、ハンナ・マレーが、グローバルアーティスティックディレクターに就任。ハンナ・マレーは英国出身で元バレエダンサーの経歴を持ち、世界のファッションウィークのバックステージなどで活躍してきた。