展覧会「MONDO 映画ポスターアートの最前線」が、京都国立近代美術館にて、2022年5月19日(木)から7月18日(月・祝)まで開催される。東京の国立映画アーカイブでも開催された巡回展だ。
ポスターは、1世紀以上にわたって映画宣伝の核となってきた。現代において広報メディアの中心はインターネットに移行しつつあるものの、21世紀に入り、宣伝という枠にとらわれずにアートフォームとして映画ポスターを制作する動きも生まれている。
その最先端にいるのが、アメリカ・テキサス州オースティンを拠点とするアート集団「MONDO(モンド)」だ。MONDOは、鋭い感性を持つデザイナーやイラストレーターに委託し、映画のエッセンスを活かしつつもアーティストの作風を尊重したオリジナル・ポスターを手がけてきた。展覧会「MONDO 映画ポスターアートの最前線」では、宣伝とは一線を画したMONDOによるポスターを紹介する。
本展では、MONDOによるポスター71点を展示。『タクシードライバー』や『地球に落ちてきた男』、『グレムリン』、『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』など、無声映画から最新作に至る映画のポスターを一堂に楽しむことができる。
MONDOに集結するアーティストは、グラフィック・デザイナー、イラストレーター、画家、版画家、コミック作家など、その本来の活動領域や芸術的な出自も様々だ。アート・ディレクターを務めるロブ・ジョーンズは、もともと地元オースティンのコンサートポスター制作者として活動していた。また、リッチ・ケリーやダニエル・デインジャーといったギグ・ポスターの名手が初期から活躍、グラフィック・アーティストのマルティン・アンシンやオリー・モスはMONDOでその才能を知らしめ、マーベルやヴァーティゴ・コミックスなどで作品を発表するベッキー・クルーナンらも携わっている。本展では、ベテランから若手まで、多彩な才能をもつ作家が手がけたさまざまなポスターを紹介する。
実物のポスターならではの豊かな質感にも注目したい。MONDOのポスターの多くは、木枠や金属枠にスクリーンを張った版を用いる印刷技法「スクリーンプリント」により制作されている。デザインの色数だけ版を作り、1色ずつインクを剃り重ねたスクリーンプリントによる美麗で豊かな質感を楽しみたい。
展覧会「MONDO 映画ポスターアートの最前線」
会期:2022年5月19日(木)〜7月18日(月・祝)
会場:京都国立近代美術館 4階 コレクション・ギャラリー内
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町
開館時間:9:30〜18:00
※5月19日(木)〜5月26日(木)および7月12日(火)〜7月18日(月・祝)は10:00〜18:00
※金曜日は20:00まで開館(5月20日および7月15日のぞく)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(7月18日(月・祝)は開館)
観覧料:一般 430円(220円)、大学生 130円(70円)
※( )内は20名以上の団体および夜間割引(金曜日の17:00以降)
※高校生以下・18歳未満および65歳以上、心身障がい者と付添者1名、母子・父子家庭の世帯員は無料
※本料金でコレクション展も観覧可
【問い合わせ先】
京都国立近代美術館
TEL:075-761-4111