ティム コペンズ - アメリカとヨーロッパのスタイルをミックス

はじめに「ティム コペンズ」というブランドについてご紹介をお願いします。

アメリカとヨーロッパのスタイルの持ち味をミックスしているところが特徴です。ウール、カシミヤなどクラシックな生地を、テーラリングの過程でモダンな技術でつくられた生地と組み合わせたりします。例えば、よくレザーを使用しますが、そこに競技用の服のような素材を合わせてみたり。

それから、自分が育った90年代のユースカルチャー。90年代のスケートボードだったり、クラブやパーティに行く感じ、動きやスピード感のあるダイナミックな雰囲気を表現しています。

どのようなところからインスピレーションを受けていますか？

今回、東京に来たこともそうですし、旅行をしたり、自分の居心地のいい場所から抜け出すことですね。私にとって居心地のいい場所とは、今住んでいるニューヨーク。毎日いろんなことが起こっていて活気のある場所。でも、そこから離れ全く別の街へ行き、自然に触れてみたりします。NYではイベントもたくさんあるし、アートや音楽など様々なものを見たり聞いたりできる。一方で、他の場所でも、木々の中で鳥が鳴いていたり、また別のことが起きています。そういった様々なことがインスピレーションですね。

例えば、2013年秋冬のインスピレーションについてお聞かせください

大きな範囲で言えばF-1。でも、よく人に言われるんですが、あれはただの車とかF-1をイメージしたわけではないのです。一冊の美しい本を見つけたことから始まって…あれは確か70年代のF-1の本。その中の写真がとても素敵で、レースのスピード感を捉えていた。どちらかというとアートという感じ。私のいうアートは、(椅子を指しながら)例えばこの椅子みたいに、すでに他のデザイナーがデザインしたものとかではないのです。

 
ティム コペンズ2013年秋冬コレクション

2014年春夏コレクションでは初めてウィメンズウェアが登場しました。

実は、当初からウィメンズもやるつもりでいました。デビューしてから2年経ったので、ちょうど良いタイミングだと思って。まだ生産はしていないのですが、今回の周囲の反応を見て、次回はもう少し増やしたいと考えています。実際のところ、初めての試みでしたが全体的に良い反応でしたし、たくさんの女の子たちが気に入ってくれたみたいで安心してます。まだ一度しか披露していませんが、メンズと別々でショーをするより、一緒に行ったほうが良いと感じました。同じテーマを共有してひとつのブランドとして認知されたいですね。

 
ティム コペンズ 2014年春夏コレクション

計画的に進めてきたのですね。

ラルフ ローレンで働いていたときは、メンズもウィメンズも手掛けていたので、特に難しく感じることもありませんでした。アントワープ時代の卒業コレクションもそうですし、以前からよくウィメンズも作っていたので。もちろん体格が違うからシルエットは変わりますが、メンズでもフェミニンな素材を使ったりもしますし、メンズとウィメンズの要素はいつも相互に関係していますね。