パリファッションウィークで発表された、アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)の2013年春夏ウィメンズコレクション。イギリスでは幸運のシンボルである"ハチ"がテーマだ。
養蜂家がかぶる帽子を想起させるヘッドピースから、ゴージャスなジャカード生地、レースまでハニカム(蜂の巣)模様で埋め尽くされた。無数のビーズでできた小さなハチや立体的な花のモチーフを、ひとつひとつ刺繍で留めていくという途方もない作業がほどこされたアイテムはまさにため息もの。構築的なジャケットの下からのぞくビスチェやチョーカー、ペプラムを形作る鼈甲のプレ―トもラグジュアリーで格調高い雰囲気だ。
コルセットやクリノリン、ペンシルスカートでボディラインを強調した完璧なシルエットも、濃密なセクシャリティを表現する。足元もハニカム模様の黒いネットのブーツ。その透明のヒールには、スワロフスキーのクリスタルの粒がぎっしりと詰められた。
さらに、ドレスの中にコサージュがたくさん閉じ込められたり、花のコサージュがたくさん連なったドレスは、春のお花畑のようにスウィートでロマンティック。胸元からのぞく黒いブラや深いカッティングによって官能的なエッセンスを加えている。
ハチを誘う花々のように甘く魅惑的な世界が繰り広げられたコレクション。ひとつひとつのルックがまるで芸術作品のように、類まれな気品と美しさを湛えていた。
バックステージフィルム