アラン・ロブ=グリエの幻の映画監督作品を集めた特集上映「アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ」が、2018年11月23日(金・祝)より、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムにて開催される。
『ヨーロッパ横断特急』
(c)1966 IMEC
20世紀の世界文学を揺るがしたムーヴメント「ヌーヴォー・ロマン(新しい小説)」の代表的作家として知られるアラン・ロブ=グリエは、60年にアラン・レネ監督『去年 マリエンバートで』のオリジナル脚本の執筆を契機に映画界にも参入し、63年に『不滅の女』で映画監督デビュー。
映画界においてもそのアラン節は健在で、倒錯的なエロティシズムを描き出す諸作は、発表されるたびに大きな注目を集めていった。フランス芸術界でもっとも誉れ高い国立学術団体「アカデミー・フランセーズ」の会員である一方、その過激な描写ゆえに製作した映画が度々輸出禁止になるという、文学・映画界が誇る“偉大な問題児”だ。
『エデン、その後』
(c)1970 IMEC
今回の特集上映では、80年代に日本劇場公開された『囚われの美女』(83)、劇場初公開となる『不滅の女』(63)、『ヨーロッパ横断特急』(66)、『嘘をつく男』(67)、『エデン、その後』(70)、『快楽の漸進的横滑り』(74)の全6本がラインナップ。「ヌーヴォー・ロマン」の旗手たるアラン・ロブ=グリエ幻の映画監督作が一挙に上映される。
『フレンズ〜ポールとミシェル』(71)のヒロイン役で一躍日本でも人気となったアニセー・アルヴィナ、1972年の映画デビューからまだ間もない、当時20歳前後のイザベル・ユペール、そして数ある出演作の中でも最高傑作との呼び声高い『ヨーロッパ横断特急』のジャン=ルイ・トランティニャンなど、フランスを代表する名優たちの姿にも注目してほしい。
【開催概要】
シアター・イメージフォーラム特集上映「アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ」
公開日:2018年11月23日(金・祝)
上映作品:不滅の女/ヨーロッパ横断特急/嘘をつく男/エデン、その後/快楽の漸進的横滑り/囚われの美女