アオイワナカ(AOI WANAKA)の2019年春夏コレクションが、2018年10月15日(月)に、東京・渋谷ヒカリエで発表された。
「日常に彩りを添えるデザイン 時間を共に歩む服を」をコンセプトに唱えるアオイワナカは、着る人にとって少しでも自信がもてるよう、自立した女性に向けて洋服作りを提案するウィメンズブランド。東京コレクションに初参加となる今回、シーズンテーマに掲げたのは「菜虫化蝶」。デザイナーの和中碧 は、これから本格的にスタートする自身のブランドへの想いを込めて、“いつか蝶になる”幼虫の様子をクリエイションで表現したという。
ファーストルックに登場したのは、鹿の子絞りを全面にあしらったシルクドレス。立体感のあるテキスタイルは、幼虫の美しさをイメージして採用したもの。ドレスが空気を含むたび、よりその立体的なフォルムは増し、まるで生きているかのような躍動感を感じさせる。
ピースを彩る淡いカラーパレットは、ヤマブキやシモクレンといった植物から着想を得た。淡い色合いをのせたシフォン素材は、ドレスのテキスタイルの一部として多用されていて、モデルの足や腕をヴェールから覗いているかのように映し出す。そこには、センシュアルな雰囲気よりも、触れると壊れてしまいそうな儚さが存在する。
カットソーやスカートを飾るのは、蝶や植物を描いた刺繍やパンチングといったカットワーク。アイボリーやブラウンといった、一見目立たない色合いのピースに、エレガントなムードをプラスしている。
ラストを飾ったのは、シフォンスカートを合わせたニットのカットソー。ラッフルのようにふわりと広がるニットの袖は、“羽根”となるまでには至らず、その“胴体”もまだ完結していない。「このコレクションでは、蝶になった様子を描いていません。それはこのブランドがこれから作り上げていくことだから」と語る和中碧 。本格的なスタートラインに経ったブランドが、いつの日か蝶のように美しい羽根を広げて羽ばたいていきたい、という強い想いを感じることができるコレクションとなった。