パリファッションウィーク初日の2012年2月28日、ジュリアン デイヴィッド(Julien David)が2012-13年秋冬コレクションを発表した。日本を拠点に活動するジュリアン デイヴィッドは、パリの有名セレクトショップ、コレットのオーナーであるサラ一押しのブランド。サラが自身の結婚式でもジュリアンデザインのドレスを着用したことでも知られている。
黒壁の会場の中央にシルバーの風船が四角形に並べられ、コンテンポラリーアートのような雰囲気が漂っていた。ファーストルックはモデルのイェケリンが着こなす、グレイのツーピース。ダブルフェイスウールの素材感を活かした、ボリュームのあるシルエットがポイントだ。足元はスノーブーツでスポーティーに。
日本の素材を愛するジュリアンは、今季は'Mont Fuji'と名付けられたブロケードを使用。ギャザーを寄せたオーガンジーを重ねて陰影を楽しんだり、メタリックなキルティング生地でユニークな表情をつけたり、その素材使いには繊細な感覚が垣間見えるよう。
おとぎ話のような模様のジャカード生地や包丁モチーフ、転写プリントで作るアーティスティックなストライプなど、ファンタジクな要素も印象的だ。千鳥格子や黒のコンパクトなパンツスーツは、裾をちょっとだけロールアップして少年風に。ベーシックなスタイルを今の気分に合わせて心地よくアレンジしたコレクションは、日常をさりげなくセンスアップさせてくれるだろう。