アキラナカ(AKIRA NAKA)の2018年春夏コレクション。今シーズンは、パリでの発表を始めたことから、改めてブランドの原点に立ち返るものづくりをした。また、デザイナーのナカ アキラがベルギー・アントワープでファッションを学んだことから、ベルギーの街の張り詰めた空気感や、そこで生きる強い女性たちからもインスピレーションを得ている。
凛とした強い女性像を演出するジャケット。テーラードジャケットは、袖の位置を少し上にずらすことで、肩パッドのような効果を生み出した。独特なデザインはまるで戦闘着のような力強い印象を与えるものの、くびれを強調するシルエットで、どこかエレガント。さらに、腕が脇から出るようなユニークなジャケットも登場した。
そして、ドイツなどヨーロッパを中心に流行した芸術運動「シュールレアリスム」からインスピレーションを得たウェアも。「海老=固」「ヒョウ=柔」と相反する質感同士のイラストを並べたインパクトのあるシャツや、ボタンが歪んだかのように、斜めに流れてデザインされたコートなどがコレクションにスパイスを加える。
ブランドの原点である「カットや仕立てで魅せていく」服も見逃せない。ウエストがサイドから露わになる造形的なロングワンピースや、プリーツを組み合わせたスカートは、独特な動きが生まれる。また、アキラナカが得意とするニットは、今回遊び心を加えた。無数のカラフルなパーツを結んだかのようなデザインニットや、背面がばっくりとイカ足のようにカッティングされたノースリーブのガウンなど、ユーモアに溢れたデザインが取り入れられている。
また、毎シーズン登場するブランドらしいエレガントなオリジナルプリントには、今季ギリシャの陶器を彷彿させる柄や、ラメ糸を使用した立体的な“大人の花柄”を採用。トップスやスカート、ワンピース、ショートパンツ、ビスチェなど、幅広いアイテムに取り入れられた。
2017-18年秋冬コレクションで初登場したジュエリーラインからは新作が登場。今シーズンの着想源の1つとなった「シュールレアリスム」の流れから、ネコとクルミをモチーフにした大振りのイヤカフやネックレス、そしてロープモチーフのリングなどが生み出された。いずれもボリューミーで存在感抜群、着こなしのアクセントに適している。