リーバイス(Levi's)が、2017年春夏新作アイテムを、2016年11月15日(火)に発表した。
2017年春夏シーズンの注目すべき点は、2つある。1つ目は、世界初のジーンズと言われる「リーバイス 501」モデルに、“スキニー(SKINNY)”シルエットが登場すること。もう1つは、1969年に若者に向けて発売された「リーバイス オレンジ タブ コレクション」が現代に甦ることだ。
不朽の名作「リーバイス 501」。その歴史は古く、1870年代にまで遡る。この時代は、働いているうちにパンツが破れて困る労働者が沢山いた。そのような人たちのために、デニム生地をリベットで補強したのがジーンズの始まり。かつて、鉱山労働者や、カウボーイ、農業者が好んで着用する時代があった。
時は流れ1950年代になると、ジーンズは反逆を表現する若者にとってのユニフォームに。一部の学校ではジーンズの着用が禁止されたほどだ。一方で、マリリン・モンローをはじめとしたハリウッドのスター達が501を穿く姿も見受けられるようになり、女性の美しさを表現するシンボルにもなっていく。切ったり破いたりし、自己表現のアイテムとしても使用され、世界中のパイオニアやロックスターたちも着用してきたジーンズ。今では、『人間の服』として、定番の位置を築き上げた。
その501を細くカスタマイズした「501 スキニー」が、2017年春夏シーズンに発表された。クラシックな面持ちや、ボタンフライといったディテールは残しつつ、今日のためにアップデートされたのだ。
「501 スキニー」は、リーバイスのビンテージ ジーンズを、細くフィットするように変えて楽しんでいた人からヒントを得ている。オーセンティックな見た目はそのままに、長く穿きこなされ、育てられたようなビンテージ調の風合いに仕上がった。
2015年に発表された「501 CT」も細身のジーンズだったが、こちらは“カスタムテーパード(CT)”なので、膝から下にかけて次第に細くなっていくデザイン。「501 スキニー」は、太ももの周りから細く作られているので、よりピッタリした着用感となる。
今季、メンズはセルビッジ2カラーを含む4カラー、ウィメンズはオンラインストア限定1カラーを含む5カラーを展開予定。
1960年代のアメリカといえば、カウンターカルチャーを忘れてはならないだろう。既成文化や体制に対して、平和や性の多様性を求める動きが広がり、“ヒッピー文化”の台頭や、歴史的な音楽フェス“ウッドストック”が開催された時代だ。この時、登場したのが「オレンジタブコレクション」。
アイテムは、オレンジ色のタブがついた、若者向けのラインで、購入しやすい価格帯、自由で開放的なスピリットを反映したクリーンなデザインが特徴だった。当時、労働着から進化してきたレッドタブとは異なる、ファッション性に溢れたウェアとして人気を博した。
2017年春にリマスターされる「オレンジタブコレクション」は、当時の復刻ではなく、60年代~70年代前半の自由なスピリット・カルチャーを受け継ぎつつ、今の若い人に向けられたデザインとなっている。
メンズは、ビンテージテイストのトラッカージャケットや、様々な型のジーンズ。ウィメンズはAラインのセンタージップスカートや、フレアオーバーオールなども展開される。
リーバイス ビンテージ クロージング(LEVI'S VINTAGE CLOTHING)は、リーバイスの“最上級ライン”と言っても過言ではない。リジット501の生産は全てアメリカにこだわり、当時と同じ織り機を使い忠実に再現した、リーバイスのヴィンテージジーンズの復刻ラインだ。
新作は、2016年秋冬シーズンにセレクトショップビームス(BEAMS)限定で発売されたアイテム。ビームスの創業と同じ1976年の復刻モデルで、この特別なアイテムが17年春夏シーズンより一般で購入可能となる。
リーバイス メイド&クラフテッド(LEVI'S MADE & CRAFTED)のラインは、リーバイスの歴史的な伝統を基にデザインされながら、現代の革新的な高品質素材と縫製技術を取り入れたモダンラインのこと。
16年秋冬シーズンでは、オフホワイトとのコラボレーションアイテムも発売され、話題になった。今回は、リーバイスの代表的アイテムである「501」をモチーフに、オフ-ホワイトの感性で再構築した斬新なデザイン。今後も新たなコラボレーションに期待が高まる。
リーバイス 2017年春夏コレクション
発売時期:2017年2月頃より~順次展開