ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の2017年春夏コレクションがフランス・パリで発表された。
ショーが行われたのは、ルイ・ヴィトンの新しいストアがオープン予定の、ヴァンドーム広場に面した建物。そこからほど近くの場所には、1854年にルイ・ヴィトンが初めて店を構えたヌーヴ・デ・キャプシーヌ通り4番地がある。今回のコレクションは、ブランドに縁の深い、このパリの地に生きる女性たち、そして世界有数のクリエーションを生み出すパリという土地の特性に焦点を当てたスタイルが披露された。
ショー全体で目を奪ったスタイリングは、ベルトで腰付近の布を左側に寄せてドレープを効かせたり、スカートの丈を左右で変えたり、深いスリットを入れたりなどしてできた左右非対称の美だ。膝下にまで裾がのびたタンクトップに、白黒のチェック柄スカートを合わせたルックからは、まるで大雑把に着つけたかの様なアンバランスな乱れが感じられる。しかし、身体の動きに合わせてダイナミックに生地を揺らすその様子からは、纏うことの喜びを本能的に知り強く美しく生きる、パリジェンヌの魅力が伝わってくる。
レザーを生業としてきたブランドらしく、コーディネートの端々には巧みなレザー使いが多く見られた。ヴァンドーム広場のファサードを飾るファウヌス神の頭からインスパイアされたTシャツに、いくつかのレザーピースを繋ぎ合わせたスカート。レインボーカラーに染まったパイソンレザーのセットアップには、ラグジュアリーの極みが感じられる。
終盤になると、スカート部分に湾曲したスリットがあしらわれたドレスが何着か現れた。この曲線によって落ちる裾部分は独特の揺れを生み出している。ファーストルックや序盤で見られたアシンメトリーデザインが、エレガントを重ねて進化したようなルックによってコレクションは幕を閉じた。