メゾン キツネ(MAISON KITSUNÉ)の2017年リゾートコレクションを紹介する。
インスピレーション源は、1940年代から60年代を中心にフランスで映画を制作した監督ジャック・タチの風刺喜劇の世界。本コレクションは“Party With Maison Kitsuné”というテーマを掲げ、1950年代のシックな要素をヒントに、フレンチな女性らしさ、幻想、気品へと回帰している。
カラーパレットは、レッドやブルーなどの鮮やかな色彩によって引き立てられた、ブラックやネイビーといったニュートラルカラーがベース。タチの映画『ぼくの伯父さん』に登場する邸宅、ヴィラ・アルペルを彷彿とさせる色合いだ。
細身のジャケットとパンツからなるブラックスーツは、アルペル邸にある魚の噴水彫刻モチーフをラメ糸で総柄にしたジャカード生地を用いたことで、かっちりとしすぎない印象に。ホワイトレザーのローファーを合わせて、マリンなテイストもプラスした。スカートスタイルのセットアップスーツには、レッドの差し色を入れて。ボーダーのように見えるこのデザインにも、同じくマリンの雰囲気が漂っており、バカンス気分の新しいスーツスタイルが完成している。
また、デニムブルーに浮かび上がるホワイトのステッチで描かれた襟は、騙し絵の手法を使用したもの。これに合わせたスカートは、様々な太さの水色のボーダーがいろんな方向に走った柄で、工夫されたスリットやフレアが陽気さを与えたアイテム。楽しい都会の夏や、海でのバカンスにぴったりなアイテムが揃ったコレクションだ。