今季より、ブランド名をISSEY MIYAKE MEN として新しい体制でスタートした、ISSEY MIYAKE MENの2012年春夏コレクション。前クリエイティブディレクターの藤原大氏よりバトンを託されたデザインチームのクリエイションは、機能性や着心地 を 大切にした、実用的だけど新鮮な服を生み出した。
今回のテーマは「BLUE」。青は長く豊かな歴史を辿りながら様々な広がりを見せる色だ。コバルトブルー、スカイブルー、ターコイズブルー、ミッドナイトブルーなど、多彩なブルーのバリーエーションに、真夏の太陽の日差しのようなまばゆいイエローが差し色に使われた。
踊るようなリズムを刻んだライン状のベストやパンツ。これらは板締め(板の間に生地を強く挟み、染料の浸透を防いで柄を作る伝統的な染色)によるテクニックにて表現されている。印象的なパンツは、日本のモノ作りの価値を伝えるために2010年に発表された三宅一生氏と Reality Labチームのプロジェクト、132 5. ISSEY MIYAKEによる、着心地を追求したデザイン。
空と海の水平線をイメージした、オパール加工(生地に透けた状態で模様を作り出す加工)のジャケットやパンツは美しいグラデーションを描き、手刺繍のピンタック地に製品染めが施されたブルーのシャツも涼やか。極細のラミー糸を用いたサッカー地のジャケットやパンツは、透け感あるストライプが、光り輝く水面のよう。夏らしい爽やかなブルーのレースアップシューズや、ブラックのサンダルでルック全体を引き締めた。
様々なストーリーと個性を持つ青が作り出す、軽やかさと深みを持ったスタイル。現代の働く男性達の共感を呼ぶ、日常にすっと溶け込む服作りを目指すデザインチームの明るく晴れやかなコレクションとなった。