ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2011-12年秋冬コレクションが恵比寿ガーデンホールで行われた。当初3月に開催されるはずだったJFWで発表する予定だった今回のコレクション。ショーがスタートする前に、デザイナーの小篠弘子氏がスピーチを行った。
まず被災地の方々へ哀悼の意を述べ、「1/3が東北地方で生産されているコシノヒロコのコレクションだが、作ってくれた方々のためにも発表したかった」とショー開催の経緯・想いを語る。また原発問題・電力不足を考慮して、今回の照明は普段ショーで使用している1/20の電力にした。そして「支援は長期的なものにしなければならない」と述べ、会場1Fには募金箱が設置された。
「心安らかにショーを見てほしい」と小篠氏が言う今回のコレクションのテーマは「Mother Earth」。あらゆるいのちを育む母なる地球から、自然の要素をコレクションに反映させている。柄には流れる水や雲のような柄、アニマル柄、そして水墨画をモチーフにしたものなどが登場。これらは黒や白などのシンプルなカラーに合わせて効果的に見せている。その他、大きさの異なるチェックを多用したルックも印象的。あえて上下同じような柄を合わせることによって、柄がより力強く表現されている。
カラーパレットは、黒や白などのモノトーンのものをメインにしながらも、コバルトブルーやマゼンダ、ワインレッドなど上品でエレガントなカラーを使用。途中コレクションのトーンが変化した箇所では、ペールブルーに白やグリーンなどのマルチカラーのアイテムや、オレンジで統一したルックなども登場した。
全体で見られる特徴的な点は、ショルダーやスリーブ、カラーの部分が立体的に構築されているところ。バックスタイルにシャーリングを用いたりと、コシノヒロコの高い技術力を見せる。その他、マントが付属したメンズライクなコートは、中世の騎士を連想させる。
素材はウールをメインに、ベルベットなどの光沢のあるものを使用。ドレープやギャザーが施されたドレスはフェミニンさを表現。そこにレザーグローブやファーをワンポイントでスタイリングに取り入れている。胸元や袖口を飾るアクセサリーも、シンプルなスタイルにゴージャス感をプラス。
和洋折衷が見事に融合した圧巻のヒロコ コシノの2011-12年秋冬コレクションだ。