ヴェロニク ブランキーノ(Veronique Branquinho)の2016年春夏コレクションが、2015年10月5日(月)に発表された。全てのモデルに目隠しをした今シーズンは、禁欲と解放、相反する雰囲気が漂う、繊細なドレススタイルを展開した。
メインのカラーパレットは、ホワイトとブラックの2色のみ。シンプルな色使いゆえに細部までこだわり抜いたディテールに目を向けることが可能に。ホワイトには透明感を、ブラックにはマットな質感を与えることで、2つの色の魅力を惜しみなく引き出している。プリントは、民俗調のボタニカル柄だけを投入。全身にプリントを施したドレスは、袖先を絞った優雅なシルエットと相まって、ジプシースタイルのような雰囲気も漂わせる。
色味を抑えることで際立つドレスの装飾にも目を向けたい。今シーズンは、長く垂れ下がるフリンジを印象的に使用。ブラックにホワイト、ホワイトに鮮烈なレッドという色使いで、歩くたびに棚引くフリンジを強調し、フォークロアな印象をさらに強める。またフリンジの付け根=ドレスのトップ部分には、繊細に編み込まれたレースが。肩から胸元にかけて、女性らしい香りを感じさせるディテールが特徴的だ。
そしてこれらのドレスに合わせたのが、テーラードジャケット。袖を切り落としてベストのように羽織るものも合わせて数種類展開されているが、中でもネイビーのジャケットに注目だ。仕立時のままにされたような、無造作なステッチや色の切り返し、それでいて美しいシルエットとテーラリング。一見荒い作りに見えながら、計算されたステッチ使いと切り返しで、ドレススタイルをよりアイコニックな見た目へと昇華させている。