エルメス(HERMÈS)2022年春夏メンズコレクションが、2021年6月26日(土)夜21時(日本時間)にフランス・パリで発表された。
アーティスティック・ディレクター ヴェロニク・ニシャニアンは、フランス人アーティストのシリル・テストと3度目のコラボレーションを行い、最新メンズコレクションを発表。
舞台演出家として国内外で活躍するシリルならではの視点で、大きさの異なるスクリーン数枚を効果的に使ったユニークな演出のもと、今季のエルメスの世界観が表現された。このランウェイショーの模様は世界同時にライブ配信され、ここ日本でもオンラインを通して、リアルタイムで体感することができた。
今季は、ブライトイエローやペールブルーなど、喜びにあふれたパレットが揃い、兎にも角にも色彩が美しいシーズン。オレンジとピンク、グレイッシュローズとペールブルーなどは、絵の具のように2色が溶け合ってグラデーションを描き、ブライトイエローはデイジーモチーフを重ねることでそのハツラツさが魅力的に表現されている。
バミューダパンツやハーフジップトップスなど、軽やかなピースがコレクションの中心となり、心地いいテンポの中進んでいく。ステンカラーコートは、涼し気なセージグリーンのテクニカル素材とドッキングしてその重さを打ち消し、シングルジャケットのスーツルックもジップポケットのディテールと涼しげな素材使いによって、軽やかなフォーマルへとアップデートされている。
メゾンの伝統が息づいたレザーブラウスは、ジグザグのステッチがコンテンポラリーで軽快な雰囲気に。スニーカーやレザーサンダルといったフットウェアや、スケートボードをモチーフにした新作レザーバッグど、小物選びからも自由で開放的なムードが表現されている。
観ているものに朗らかさや喜びを与えてくれるコレクションでありながらも、随所に散りばめられているのは、エルメスの真摯なものづくりと丁寧な手仕事を感じさせるディテール。象徴的なのは、デフォレプリントで表現されたグラフィカルパターンで、長袖シャツやハーフスリーブトップスの上には、線画のように緻密な模様が透かし模様のように描かれている。
©Filippo Fior