3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)の2016年春夏コレクションが、ニューヨークで発表された。ブランド10周年を記念した今季のテーマは「共存」。会場に並んだ山形の「土」は、環境問題研究家のマヤ・リンとのコラボレーションによるもの。大地の壮大さや地層の重なりを表現しているそうだ。
会場に流れるナチュラルなムードは、ワードローブにも落とし込まれた。カラーパレットは、オリーブやカーキ、マスタードといったアースカラーが中心。大きな花模様や小花柄が入り乱れ、大小さまざまな花々が華やぎを届ける。そこに合わせたのは、光沢感のあるリキッドカラー。それにピンストライプ。テイストの異なるものを差し込み、溶け込ませ、今季のスタイルを構築していく。
コーディネートは、ウエストマークを施したパンツまたは、極短のショートパンツをメインにした快活なものが多い。ここでも「共存」というテーマが色濃く反映され、ポケット付きのジャンパーなどのアクティブウェアと、ラッフルトップス・シャツなどのフェミニンな装いがミックスされている。
キュッと体を絞るようなボディフィットなドレスが登場すると、裾の広がったクロップドパンツ、オーバーサイズのライダースジャケットが現れ、さらには、アシンメトリーなシャツドレスも揃う。シルエットに強弱をつけていることは、明らかなようだ。
デザイナーのフィリップ・リムは「STOP AND SMELL THE FLOWERS」をグローバルコンセプトに掲げた。そこに込められたのは「ちょっと足を止め、いつも咲いている花の美しさに目を留めそのほのかな香りを味わうように、いま目の前にあるものの美しさや奇跡を、人生そのものを、楽しんで感謝する」という思い。そういった優しい思想と、10年間で築き上げたチャレンジ・スピリットを重ね合わせ、オリジナルのミックスアンドマッチを楽しんでいた。