サポートサーフェス(support surface)の2016年春夏コレクションが、2015年9月8日(火)、東京・浜松町のGallery 916で発表された。
イエローとホワイトのバイカラードレスの登場とともに、幕を開けたショー。グリーンやレッドの鮮やかなドレスが続き、“白”を追求していた2015年春夏シーズンのイメージからは離れ、とても新鮮に映った。
「つながりの自分ではなく、自分に対する挑戦」とデザイナーの研壁宣男が表現した今季は、これまでの延長線上から少し距離を置き、新しい試みがたくさんつまっていうように感じた。例えば、床を引きずるほどの長い丈感。それに、黄色やピンクといった鮮やかな色彩もそうだ。アイテムには、自身へのチャレンジ精神に重ね合わせるように、普段手にとらないアイテムに手を伸ばして欲しいというユーザーへの思いが込められている。
コレクションの中で流れるのは、終始軽やかなムード。薄くて軽い素材にこだわった、ドレープドレスやプリーツスカートは、どれも揺れ、動き、繊細な表情を生み出していく。一見重量感のある、クロコダイルのような素材も、チュールにビニル素材を刺繍をしたもの。また、ハリ感のある素材にはパンチングを施し、レーシーに仕上げている。カットジャカードのパンツや、形状記憶のタフタを使用したワンピースなど、テクニックが輝るアイテムが並ぶ。
着こなしはとてもシンプル。ドレスを一枚纏い、そこにコートやジャケットを重ねたり。ニットトップスにクロップドパンツを合わせたり。足元は少しマニッシュなフラットシューズで揃え、気品のあるコーディネートを提案している。
新しいシーズンを迎えるたび、これまでの“原型”を少しずつアップデートし、コンテンポラリーを追求してきたという研壁。付けたし、変形させるのではなく、“原型”と真摯に向きあい進化させた今季を、作り込んだシンプル「Elaborate simplicity」と名付けていた。