ルイ ヴィトン(LOUIS VUITTON)がパリ・ファッション・ウィークで、2011-12年秋冬コレクションを発表した。
クラシックなエレベーターの扉がベルボーイによって開けられスタートしたコレクションは、50年代の豪奢でデカダンスな雰囲気に包まれていた。カラーパレットは黒、ブルー、モスグリーン、パープル、シャンパンゴールドとダークなジュエリーカラーが揃い、濃密な魅惑の世界を創り出している。
高級ホテルのエントランスのようなキャットウォークに現れたモデル達はベルボーイ風の帽子に白い手袋という客室係スタイル。白い丸襟やパスリーブのブラウスはフレンチ風メイドを思い起こさせる。ウェストを締め付けるレザーのコルセットや、シースルーのスカート、膝下のペンシルスカート等フェティッシュなアイテムが続く。ハイヒールやアイマスク、手錠といったモチーフは白い丸襟がポイントのレディライクなドレスの柄としても登場。
淑女風のバッグもダイアモンドで飾られた手錠でモデルの腕につながれ、淑徳と背徳という相反する要素がシニカルに同居したスタイルが印象的。そこへシャープなシルエットのミリタリー風レザーコートやジョッバーズパンツが登場すると、シャーロット・ランプリング主演の映画「愛の嵐」の様相を帯びてきて、妖艶な雰囲気がさらに色濃くなってくる。フィナーレにはスーパーモデルのケイト・モスが煙草をくゆらせながら登場。煙と共に圧倒的な存在感を放ちながらショーの幕を閉じた。