ロエベ 2015-16年秋冬コレクション - 色彩・質感を味方につけ、未来を見据え突き進む

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2015年3月6日(金)、ロエベ(LOEWE)の2015-16年秋冬コレクションがパリで発表された。ジョナサン・ウィリアム・アンダーソン、2度目となる今季。昨シーズンが鮮烈なデビューだったこともあり、来場者の期待も大きかったはずだ。

会場は、前回と同じくパリ・ユネスコ庭園。開放的な空気感がなんとも心地よい。この清涼感やアーティーなムードは、今季もジョナサンの解釈のもと、ワードローブに落とし込まれた。未来を見据えた彼の心情を表すように、少しフューチャリスティックなスパイスを加えて。

ブラウン、ベージュ、ブルーなどのパレットが虹のように広がるレザージャケット。そこにヘリーボーンのワイドパンツ、フレッシュグリーンのベルトを組み合わせものをファーストルックに据えた。

まずは、レザージャケットに注目したい。丸みを帯びたシルエット、ふんわりと広がる袖、大きくあいた襟元。素材が持つ力強さは尊重しつつも、命を吹き込むように女性らしさを詰め込んでいく。昨シーズン“柔道ベルト”と呼ばれたウエストマークは、進化を遂げ、四角いピースを連ねたようなポップなデザインで登場。その後も四角や丸といった形は継続しして展開され、幾何学模様のワンピースやパズルの破片を散りばめたようなタートルネックニットなどが揃った。

今季を語るには、輝きやツヤに目を向けた素材に、触れずにはいられないだろう。スタンドカラーのワンピースは、アコーディオンプリーツを施すことで、より一層メタリックカラーがキラキラと光る。またビニールでラッピングしたかのように、ツヤのあるワイドパンツは、色彩の鮮度を閉じ込めているよう。どちらのファブリックも、大きなサングラスと相まって、近未来のムードを高めていた。

素材が持つ可能性の引き出し方、表現豊かなカラーリング、ウェアラブルであり続けることへのこだわり、愛らしい小物使い……。特筆したいものが多々あるが、どの観点から見ても、昨シーズンの延長線上に今季が位置づけられていることが伝わってくる。それは悲観的なものではなく、彼が定めたレールに乗って進んでいるということ。ジョナサンのみぞ知る行く末、今はまだまだ序章である気がしてならないのだ。