ラグ&ボーン(rag & bone)が2015-16年秋冬メンズコレクションをニューヨークで発表した。
今シーズンのテーマは「アーバンアーマー(都会の戦士)」。気だるさを感じさせるシルエットに、機能的なウェアからインスパイアされたネックラインやスポーツスタイルに用いられるドローコードなどのディテールをミックス。ワードローブからは“気張らないが戦う準備はいつでもできている”という雰囲気が伝わってくる。
カラーパレットは抑えめのトーンでまとめたグレー、ネイビー、アイボリーが中心。さし色のサバイバルイエローが、一際目立つ。
発表されたルックは躍動感にあふれ、飛んだり、跳ねたり、舞ったり。それもそのはず、モデルには2人のパフォーマーが起用されている。バレエ・ダンサーで演出家で俳優のミハイル・バリシニコフ(Mikhail Baryshnikov)とダンサーであるリル・バック(Lil Buck)だ。
このパフォーマンスの中で舞うアイテムは、珍しいファブリック使いや、シルエットが特徴的だ。例えばルースパンツや、スポーツウェアからインスパイアされたトラックパンツ。これらのアイテムはクラシックなテイラード ファブリックを使用することにより、シルエットが再構築された。また、グラフィカルなストライプやスティッチのディテールは、裾を切りっ放しにしてラフに仕上げたテイラードのスーツにも見られ、個性を特徴づけている。
秋冬で一番重宝するアウターウェアにはメルトンコート、シームを圧着加工したパファージャケットに加え、リュクスをモダンに再解釈したフェルトウールのコートやムートンのフーディーなどが登場。パフォーマンスやテクニカルなスタイルのものがベースとなり、使い勝手も良さそうだ。
今回もショー形式とは異なる方法でコレクションを発表したラグ&ボーンのメンズコレクション。ルックだけでなく、ショートフィルムも見逃せない。殺風景な背景の前で撮影された二人の踊りは、コンセプチュアルかつ動的で、見ている人を虜にするだろう。