オーラリー(AURALEE)の2024年秋冬コレクションが、2024年1月16日(火)、フランスのパリにて発表された。
今季のオーラリーが目を向けたのが、昼から夜へと移ろう、人々の装いだ。それはたとえば、昼間に働き、夜には人と待ち合わせて、あるいは家族を夕食を共にする……。仕事の日常からほっと息をつく時間へと移ろってゆく、そんな高揚感をニュアンス豊かに描きだすコレクションを展開している。
コレクションを構成するのは、日中に身にまとうテーラリングやワークウェア、そして夜の時間に華やぎを添えるワンピースなど。たとえばテーラリングは、端正な佇まいを基調としつつも、肩に余裕を持たせ、抜け感のあるボクシーなシルエットに。すっきりとしたシルエットにまとめたチェスターコートなどは見られるものの、レザーブルゾンやパファージャケットなど、アウターは全体としてリラクシングなサイズ感に仕上げた。
素材は、秋冬らしく温かみがある。ジャケットなどに用いたツイードには、ウールにアルパカを組み合わせることで、しっかりとしたフォルムを保ちつつも軽やかで温かみのある着心地に。ワンピースは、ベアトップやノースリーブといったドレッシーな作りながら、ふんわりとしたベビーキャメルやウールなどを用いている。
カラーは、ブラウンやベージュ、ブラックといったベーシックカラーを中心としつつ、昼から夜への移ろいに呼応するかのようにして、豊かな色彩感が取り入れられている。ジャケットやワンピースなどに用いたライトグリーン、シャツやパンツの淡いピンクなど、繊細なペールカラーを取り入れるほか、ベアトップドレスにはブルーを、ニットにはレッドを、といったように、鮮やかな色彩も随所に取り入れ、穏やかさのなかにはっと目を惹くアクセントを取り入れた。
時間の移ろいと響き合うのが、レイヤードの多用だろう。ショートジャケットの下には、丈感の異なるパーカー、ニットを重ね、ジャケットの首元にはタートルネックを覗かせるなど、コーディネートにレイヤリングを積極的に取り入れることで、ニュアンスに富んだ色彩の移り変わりを引き立てるとともに、昼から夜へ、という気持ちの変化をほのめかしているように思われる。