企画展「大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ」が、東京・六本木の国立新美術にて、2023年11月1日(水)から12月25日(月)まで開催される。
1971年に生まれた大巻伸嗣(おおまき しんじ)は、「存在とは何か」という問いのもと、身体の感覚を揺さぶるような大規模インスタレーションを手がけてきた現代美術家だ。大巻は、現代社会の考察を通して制作の着想を得てきた。一方、その作品が示す繊細で濃密な装飾性は、人間に宿る造形的な志向を反映するものであるといえる。
大巻は、世界各地でインスターションを発表するばかりでなく、地域を活性化するアートプロジェクトや舞台芸術にも取り組んでいる。企画展「大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ」では、国立新美術館の広大な展示空間を会場に、映像や音響、詩を用いたインスタレーションを展開するほか、パフォーマンスも行う予定だ。
本展では、2016年に始まった「Gravity and Grace」シリーズの最新バージョンを紹介。2011年の東日本大震災と福島の原発事故への考察をもとに手がけられた同作は、動植物の文様を施した大きな壺から強烈な光が放たれるものであり、エネルギーに過度に依存した現代社会を批評するものである。
また、大巻は近年、人間の意識と不可分な「言語」をリサーチするなかで、「生きるとはどういうことか」への考察を深めてきた。会場では、こうした問いに基づく新作の映像インスタレーションも発表する予定だ。
空間における身体や、他者との身体的な関係に関心を抱く大巻は、舞台芸術を手がけるなど、演劇分野にも活動の幅を広げてきた。本展でも、会期中にパフォーマンスを行う予定である。加えて、大巻が近年言語から着想を得ていることから、詩人・翻訳者の関口涼子とのコラボレーションも予定されている。
企画展「大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ」
会期:2023年11月1日(水)〜12月25日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室2E
住所:東京都港区六本木7-22-2
開館時間:10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
※入場はいずれも閉館30分前まで
休館日:火曜日
観覧料:無料
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)