展覧会「芥川龍之介と美の世界 二人の先達─夏目漱石、菅虎雄」が、福岡の久留米市美術館にて、2023年10月28日(土)から2024年1月28日(日)まで開催される。その後、神奈川県立近代美術館 葉山に巡回する。
『鼻』や『羅生門』などを手がけ、大正時代を代表する作家である芥川龍之介。芥川が、夏目漱石の弟子を自任していたことはよく知られているものの、漱石の古い友人であり、芥川にとっては高校時代のドイツ語の先生であった菅虎雄(すが とらお)との交流に光があてられることは多くない。
久留米に生まれ、学生時代に漱石と知り合った菅は、漱石と親しく交流し、『坊っちゃん』の舞台となる松山の中学校や、熊本の第五高等学校の就職の世話をしている。また、芥川が学んだ第一高等学校には、名物教師として長く勤め、書の優れた腕前でも知られていた。芥川が初めて出版した『羅生門』の扉の題字は、管によるものだ。
展覧会「芥川龍之介と美の世界 二人の先達─夏目漱石、菅虎雄」では、芥川、漱石、菅の3人の関係に着目。禅や書に精通した菅とふたりの作家の交流をたどりつつ、漱石や芥川の初版本、オリジナルの原稿、手紙といった貴重な資料など約300点を紹介する。
また、芥川が愛好した美術についても紹介。さまざまな美術団体が独自の表現を模索する大正時代に生きていた芥川は、美術鑑賞や観劇に出かけ、その感想を友人に書き送っていた。本展では、小杉放庵《水郷》や石井柏亭《滞船》など、当時の美術作品や、漱石や芥川の小説に着想した絵画や彫刻などを目にすることができる。
展覧会「芥川龍之介と美の世界 二人の先達─夏目漱石、菅虎雄」
会期:2023年10月28日(土)〜2024年1月28日(日) 会期中に展示替えあり
[1期 10月28日(土)〜11月26日(日) / 2期 11月28日(土)〜12月27日(水) / 3期 1月4日(木)〜28日(日)]
会場:久留米市美術館
住所:福岡県久留米市野中町1015
開館時間:10:00〜17:00 (入館は16:30まで)
休館日:月曜日(1月8日(月・祝)は開館)、12月28日(木)〜1月1日(月・祝)
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、65歳以上 900円(700円)、大学生 600円(400円)、高校生以下 無料
※( )内は15名以上の団体料金
※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳等の所持者および介護者1名は無料
※前売券は、チケットぴあ、ローソン各店にて、会期1か月前より販売
※上記料金にて石橋正二郎記念館も観覧可
■巡回情報
・神奈川県立近代美術館 葉山
会期:2024年2月10日(土)〜4月7日(日)
住所:神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1
【問い合わせ先】
久留米市美術館
TEL:0942-39-1131