2014年3月20日(木)、ファセッタズム(FACETASM)の2014-15年秋冬コレクションが発表された。
「洋服は軽いもの着やすいもの追求しがち、でもファッションはチャレンジでもあるし、努力だったり重圧感と隣り合わせ」と語ったデザイナーが表現しようとした今回のコレクションの鍵は圧迫感。それを象徴するかのように、会場では1枚の壁によってフロアが真っ二つに仕切られ、ランウェイがより観客に近づくように設計されていた。
モノトーンで始まったカラーパレットは、ショーの間刻一刻と変化。ベーシックなブラック&ホワイトから、ピンク、イエローとカラフルになり、最後は再びシックに締めくくられた。シンプルな色使いの中にバランス良く取り入れたレッドやグリーンの差し色が、コーディ―ネートを洗練させる。キーワードの重圧感や圧迫感を意識したヘビーにアウターには、レザーなど、重た目の素材が多く使われた。
ファセッタズムらしい凝りに凝った細かなディティールは、今季も健在。いくつもの切り替えしやベルト使い、大ぶりのフードやコルセットなど、スタイリングを格上げする重ね技と小物使いはさすが。パンツの両足の膝の部分を繋ぐベルトなど、所々に反抗的でアナーキーなテイストを盛り込んだのも、デザイナー落合宏理の意図したところ。
様々なアイテムとテイストがミックスされた、それでいてどこか都会的な雰囲気漂わせていた今期のコレクション。ラストには、デザイナー自らが会場内を駆け回って観客たちに笑顔で挨拶し、ショーが締めくくられた。