吉見百穴(ヨシミヒャクアナまたはヨシミヒャッケツ)は、埼玉県比企郡吉見町にある横穴墓群の跡。国史跡に指定されている。
岩山の表面から数mの小穴を多数掘って造られた古墳時代後期の集合墳墓であり、内部の台座に棺桶を安置したとされる。穴数は219基で、国内最大規模となっている。
見どころは、吉見百穴とその周辺の丘陵地帯に広がる、昭和19年から20年ごろに掘られた地下軍需工場跡。縦と横の洞窟がそれぞれ交差し、碁盤の目のように広がる直径3m程の開口部を持つ洞窟は、見学することも可能だ。
また、地下軍需工場跡に見られるヒカリゴケは国指定の天然記念物となっており、これを目当てに足を運ぶ人も多い。緑色の光を放出しているように見えるヒカリゴケの生育には、一定の気温と湿度を保つ環境に恵まれることが必要で、この条件に合った吉見百穴の横穴墓内にはヒカリゴケが自生している。