コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME des GARÇONS HOMME PLUS)の2023-24年秋冬コレクションがフランス・パリで発表された。テーマは「アバンギャルドなテーラリング」。
アートやファッションの世界を中心に<前衛的なもの>を指す言葉として知られる「アバンギャルド」。しかしその語源は<前衛部隊>を指す軍事用語であり、“戦いの中、リスクを伴う前線に立つ”という意味を持つ。そしてそれは、コム デ ギャルソンの“ものづくり”にも通じるものがあるといえる。今季はそんな「アバンギャルド」をキーワードに、ブランドがこれまでに幾度となく取り上げてきた「テーラリング」に新しいアレンジを加えていく。
ファーストルックは、セットアップに肩を強調したケープのようなアウターを合わせたスタイリングからスタート。続くルックでも同様のアウターを用いて、インパクトのあるシルエットを提示した。
全面に文字がプリントされたアイテムは、ロンドンを拠点に活躍するカナダ人アーティスト・Edward Gossとのコラボレーションによるもの。アームやバストに膨らみを持たせたグレンチェックのジャケットをはじめ、パンツやシャツなどコレクションを構成するあらゆるアイテムにEdward Gossのアート作品を落とし込んだ。
また、中盤から多用されたファーやスリーブのようなディテールも、「アバンギャルドなテーラリング」というテーマを確固たるものにしていく。毛足の長いファーは、光沢感のあるヘリンボーンスーツを筆頭に、前面や背面、首元、カットアウト部分に配して。スリーブを思わせる筒状の装飾は、テーラードジャケットの前面にアシンメトリーにあしらい、違和感を覚えさせる佇まいに仕上げた。
さらに今季は、ルイスレザーズ(Lewis Leathers)、ジョージコックス(GEORGE COX)とのコラボレーションシューズを発表。赤いベルトがワンポイントになったレザーブーツや、ブラックとホワイトの2トーンカラーのレザーシューズが披露された。