ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)の2023年秋冬メンズコレクションが発表された。
今シーズンは「自然界についての研究」がテーマ。1800年代に活躍したドイツの博物学者・地理学者、アレクサンダー・フォン・フンボルトの研究や書籍を出発点に、自然からインスピレーションを得たコレクションを展開している。
たとえば、リラクシングなシルエットのパンツには、ベルギー国立植物園のライブラリーに収蔵されている図画をモチーフにしたタイガーリリーを配して。ボンバージャケットには羽を大きく開いたワシを、とろみのあるシャツにはとぐろを巻いた蛇を落とし込むなど、自然界の生き物を躍動感たっぷりに描いている。
コレクションを構成するカラーパレットは、大地を彷彿とさせるベージュやブラウンといったアースカラーがメイン。草花を思わせるナチュラルなグリーン、パステルトーンのパープルを織り交ぜて、落ち着きのあるトーンにフレッシュな印象をプラスしている。ファブリックにも、天然素材のジュートやアルパカの毛を用いて、自然界へオマージュを捧げた。
自然界から満ち溢れるエネルギーとミックスしたのは、90年代のレイヴ・カルチャーからインスパイアされた、アンダーグラウンドなムード。ティーンエイジャーの自由な精神を代弁するカーゴパンツやパファージャケット、サイケデリックなパターンのパンツなどが、コレクション全体にパワフルでキッチュな雰囲気をもたらしている。
秋冬シーズンの主役となるアウター類は、新しいシルエットを追求したテーラリングが魅力。ワイドショルダーのロングコートはウエストを細身に設定し、肩から腰にかけて流れるような曲線を描き出すことで、新鮮なバランスに。ラペルを誇張したダブルブレストのジャケットや、ドロップショルダーのブルゾンなど、オーソドックスなフォルムにひねりを効かせた、遊び心あふれるピースが揃う。