アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)の2023年春夏ウィメンズコレクションが発表された。
パリでのコレクション発表10周年を迎えるアクネ ストゥディオス。お祝いムード漂う今季のインスピレーション源となったのは、“ちょっぴり変なウエディングパーティー”だ。テーブルクロスやシャンデリア、ウェディングシーツ、リボン、花など、結婚式を彩るあらゆるものを参考にして、クラシックなウェディングをとびきりロマンティック&キッチュにアレンジした。
コレクションを彩るのは、レースや花柄、ハート模様といった、ラブリーなムード満載のモチーフ。たとえば、淡いブルーのリボンが主役のミニドレスは、繊細なレースとシアーなオーガンザ生地によって甘く儚げなムードを演出。サテン地のサンダルブーツにもフェミニンな小花柄をあしらい、とことん詩的にまとめ上げている。
リボンは巻き上げられ、あるいは解体されることで、体を包み込むようなゆったりとしたドレープを形成。ただの飾りとしてではなく、トップスやドレスそのものを形作っているのが印象的だ。また、伝統的にロマンティックな下着であるペチコートやチュールは、体を覆い隠したり露出したりすることで前面に押し出されている。
甘い雰囲気にエッジを効かせるのは、ヘビーメタルから着想を得たハードなアイテムの数々。スタッズで縁取られたハンドペイントのレザージャケットや、メタルスパイクをあしらったミニバッグなどがその好例だ。本来ロマンティックなモチーフである薔薇のベルトも、“棘”を強調することでダークに再解釈している。
カラーパレットは、淡いピンクやブルーといったパステルカラーが中心。そこに、目が覚めるような深いレッドや大人なチョコレートブラウン、ブラックを織り交ぜ、病的なまでの甘さをしっかりと引き締めた。
またショーの終盤に入ると、“少年の気だるさ”をイメージしたというチェック柄のピースがお目見え。ワイドショルダーのブレザーやベスト、パンツに、赤や青のギンガムチェックをあしらったポップな装いで、これまでのラブリーな雰囲気を一変させた。