岐阜県美術館では、企画展「開館40周年記念 前田青邨展 究極の白、天上の碧(あお) ─近代日本画の到達点─」を、2022年9月30日(金)から11月13日(日)まで開催する。

前田青邨、過去最大規模の回顧展

前田青邨(まえだ せいそん)は、大正期から昭和期にかけて、院展を中心に活躍した日本画家だ。1885年、現在の岐阜県中津川市に生まれた青邨(本名・廉造)は、16歳で日本画家・梶田半古に師事、写生と古画研究によって力を養う。また、岡倉天心や下村観山からも指導を受けて研鑽を積んでいる。そして、朝鮮半島や中国への旅行、ヨーロッパ留学によって異文化にふれるなかで日本画の可能性を認識し、1977年に没するまで意欲的に制作を続けた。

本展は、過去最大規模となる前田青邨の回顧展。歴史画の代表作《洞窟の頼朝》(重要文化財)を筆頭に、初期から晩年に至る100点超の作品を展示し、日本画の巨匠・青邨の全貌を紹介する。

青邨は歴史画の名手として知られており、なかでも青邨の作品で唯一重要文化財に指定されている《洞窟の頼朝》は、その代表的な作品である。本展では、同作を全会期を通して展示。また、ルネサンス期の壁画に触発された大作《羅馬使節》が約40年ぶりに岐阜で展示される機会となる。

さらに、日本画の技法による自画像の名品《白頭》や、やまと絵に学んだ鮮やかな色彩で描かれた《紅白梅》、1930年の院展に出品され、初めて本格的に花鳥画に取り組んだ作品である《罌粟》など、青邨の代表作の数々が一堂に会する。

展覧会概要

企画展「開館40周年記念 前田青邨展 究極の白、天上の碧(あお) ─近代日本画の到達点─」
会期：2022年9月30日(金)〜11月13日(日)
［前期 9月30日(金)〜10月23日(日) / 後期 10月25日(火)〜11月13日(日)］
会場：岐阜県美術館 展示室1・2・3
住所：岐阜県岐阜市宇佐4-1-22
開館時間：10:00〜18:00
※10月21日(金)は20:00まで開館
※展示室への入場はいずれも閉館30分前まで
休館日：月曜日(祝日の場合は翌平日)
観覧料：一般 1,300円(1,200円)、大学生 1,000円(900円)、高校生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、難病に関する医療費受給者証の交付者とその付添者(1名まで)は無料
※前売りは当日料金から200円引き

【問い合わせ先】
岐阜県美術館
TEL：058-271-1313