TAO(タオ)の2022-23年秋冬コレクションが、2022年3月22日(火)に東京・南青山で発表された。
トリコ・コム デ ギャルソン(trict COMME des GARÇONS)がタオに改名して2シーズン目となる今回は、「Extravagant mix of textiles(過剰なテキスタイルミックス)」をコンセプトとし、白と黒を基調とした前シーズンとは打って変わって、色柄に溢れるコレクションを創り上げた。重厚感のあるものから、身体を覆うベールのような軽やかなものまで、様々な柄と素材をミックスすることで強さを表現したという。
温もりを感じるボタニカル柄のコーデュロイ、なめらかなベルベット、ほんのり毛羽のあるウール……。クラシックなバラのジャカードやフラワープリントのレースなどの多彩な花柄は、ノスタルジーな華やかさを加え、ギンガムやタータンといったチェック柄は、ポエティックでフォークロアなムードを掻き立てる。こうして異なるファブリックが交わっていくことで、優しくガーリーなタオの世界が創り上げられていく。
柄と柄は繋げるだけでなく、重ねることで新たな楽しみ方を教えてくれる。とりわけ軽やかで透明感のあるオーガンザは、今季のテーマと巧くリンクしているようだ。異素材が織りなす柄と柄のレイヤードにより、プリントが浮き出て、踊るような躍動感を伴っている。また、サイドに大胆なスリットが施されたトップスや大振りなかぎ針編みのニットは、ちらりと見える内側との表情の違いを魅力にしている。
カントリー調のニュアンスを漂わせるファブリックを中心とするなか、フリルやプリーツは、足取りとともにゆったりと揺れて、ガーリーなタオの世界を感じさせる。ファンシーなティアードは、ニットとの切り替えであしらわれたり、ラッセルレースやジョーゼットが組み合わせられたりと、そこだけにフォーカスしてみてもテキスタイルミックスの巧技が光っている。
温もりたっぷりのニットは、ほっこりと優しいニュアンスをより一層強調している。日本のニットブランドであるバトナー(BATONER)とのコラボレーションは、“ニット”と一言で片づけるのは惜しく、例えばワンピースは、ボーダーの切り替えごとに異なる毛糸と編地が用いられているから、1枚のニットでも手にする場所によって風合いが全く違う。
最後に目を向けたいのは足元。牧歌的な今季のコレクションにひと際合うのが、UGG(アグ)とのコラボレーションブーツだ。UGG定番のフラットなブーツに、ざっくりとしたケーブル編みがボリューミーに施された、温もりある1足に仕上げられている。