ポール・スミス(Paul Smith)の2022年秋冬ウィメンズコレクションが発表された。
非ハリウッド系のいわゆる"アートハウス映画"が織りなす豊かな世界観を探求した今季。別世界を思わせるグラフィックプリントや鮮烈なカラーパレットが、衣服を混沌へと導いてゆく。
まず目を惹くのが、サイケデリックに渦巻く「ソーラー フローラル」パターンを配したシャツやワンピースなどのアイテム。加えて、重厚なベルベッドに月灯りの花が咲いたかのような「ムーンリット パーム フ ローラル」のトップス、明け方や夜明けの目覚めを彷彿とさせる「トワイライト フローラル」のセットアップなどが並ぶ。
2022年秋冬メンズコレクションにも登場する"ジグザグ"プリントは、インターシャ織のモヘアセーターや同系色のジャカードベルベットにオン。それらを、アバンギャルドな映画の世界に迷い込んだかのようなビビッドブルー、レッド、グリーンの他、初期のシュールレアリスム映画を彷彿とさせるアイスブルーが彩る。
ポール・スミスが得意とするテーラリングアイテムは、洗練されたデザインに再定義。これまではメンズライクなオーバーシルエットのジャケットが主流だったが、今季は肩のラインを強調しつつ、ウエスト周りを流れるようなドレープに仕立てることで、身体の持つ自然なラインを美しく魅せる形に。ドレスアップへの欲求を満たすべく、スーツスタイルでも女性らしさを前景化した。
トラウザーは、センシュアルなスリムフィットに加え、ハイウエストのキックフレアパンツ、90年代風のストレートレッグなど、新たなシェイプを取り入れた。