2013年10月17日(水)、ビューティフル ピープル(beautiful people)が2014年春夏コレクションを発表した。テーマはずばり"The beautiful people"。セレブのように皆から注目され、憧れられる人がコレクションのキャラクター像となっている。
「ビートルズやローリングストーンズのいた、60年代から70年代初頭頃の時代に憧れを持っている。当時の自由な雰囲気を目指した」と、デザイナーの熊切秀典は語る。シンプルなラインのワンピースや、モッズスタイルを思わせる細見のスーツ。頻出したレディースのジャケット×パンツのセットアップ姿は、ミック・ジャガーのダブルジャケットを女の子が可愛く着れるには、という発想から生まれ、ボタン位置を下げるなどシルエットに工夫を施した。車やニワトリなどのおちゃめなプリントもキッチュでなんだか懐かしい雰囲気。
スタイリングにもその当時の空気感がはっきりと見て取れる。メンズは往年のロックスター風に、長髪&色付きのアイウェア。強調されたレトロなアイメイクのレディースモデルたちは、マリアンヌ・フェイスフルのような重めのバングを作ったり、目深に麦わらの女優帽をかぶったり。
しかし、目指したイメージとは対極的に、服に向き合う姿勢は真剣そのもの。特に、素材の特性を利用しての新鮮味のある表現は卓越している。黒に染めても真っ黒にはならないリネンの性質をうまく使って、その濃淡でレオパード模様を描き、裏地が下から浮き上がっているような不思議なジャケットは、ウールの透け感を用いて完成させた。素材に関しては、「今までで一番高級なんじゃないかな…」と熊切が思わず漏らすほど、こだわりが詰まった逸品ぞろい。
また、自由でリラクシングな世界観は演出でも発揮。モデルたちも互いに"Hey, what's up?"なんておしゃべりしながら楽しげにウォーキング。ショーの舞台にも、都会のオアシスを思わせる代々木VILLAGE by kurukkuの開放的な庭園内が選ばれた。