カール・ラガーフェルドとシルヴィア・フェンディによる、フェンディ(FENDI)の2014年春夏コレクション。テーマは「DREAMWEAR」。
コーラルピンクからブルー、ブラック、そして鮮烈なレッドへ。鮮やかでいて繊細な、移りゆくカラーに彩られた今季のコレクションは美しく透き通り、まるで宝石のような輝きに満ちている。例えば、ファーストルックから続いた、シルクオーガンジーを幾重にも重ねることで生み出されるグラデーション。ショーの後半に多く登場した、シアーな素材と、毛足の短いミンクを圧着して作られたという幾何学模様の組み合わせ。華奢な2本のヒールを繋いでつくった三角形の「ダブル ヒール」を採用したシューズもまた、美しい半透明のPVC素材だ。
これだけでも十分に艶やかな魅力があるのだけれど、さらにひとひねりし、エッジィさをプラスしたのがカールらしい。そのエッジィさを支えるエッセンスが、もうひとつのテーマである「コンピューティング」。コンピューターの電子回路のようなデザインが施されたトップスやショートパンツ、スカート、ジャケットなどのアイテムが、ショーの中盤から登場しはじめる。急速に進化するIT社会をまるで皮肉るかのように、もしくはそれを讃えるかのように、ウェアに大胆に取り込まれたメカニックなデザイン。これがリュクスで軽やかなコレクションにフューチャリスティックなイメージを加え、強いオリジナリティを引き出した。
また、人気を誇るミンクとフォックスファーでできたバッグチャーム「バッグ バグズ」にも、新デザインが加わった。未来的なカラーブロッキングのバッグ「トゥジュール(2JOURS)」や「トロワジュール(3JOURS)」のチャームとして、クリスタルアイを付けた「夜バージョン」のバッグ バグズがランウェイに登場。ふさふさとしたルックスで、キュートな魅力を振りまいた。