クレージュ(courrèges)の2022年春夏コレクションが発表された。
今季、クレージュがテーマに掲げたのは「Both of us knowing(二人で知る)」。これは、アーティスティック・ディレクターのニコラス・デ・フェリーチェが、パーティーを通して友情の時間を呼び起こした経験に基づくもの。パーティーで群衆が一斉に親密さを高めるように、クレージュと観客も一体になりたいとの願いが込められている。
デザインの中心となるのは、スポーティーでミニマルなフェスティバルウェア。ミニスカートやフレアパンツを用いた、ブランドのアイコニックな「ミニ・ルック」や「パンタロン・ルック」をベースに、プリントTシャツやタンクトップを組み込み、よりカジュアルなルックスに仕上げた。
コレクションのキーとなるのは、1976年にクレージュで登場したドレスのストラップから着想を得たという、交差するヨークのデザイン。ドレスやスカート、バギーパンツ、ブラジャーなど、あらゆるアイテムに散見されるこの“ループ”のディテールが、全体に幾何学的なリズムをもたらしている。
ミニマルなシルエットが並ぶルックでひと際存在感を放っていたのが、体をすっぽりと覆うオーバーサイズのケープたち。丸や三角、四角などの図形をイメージし、ハリ感のある素材で仕立てられたケープは、その1着だけで構築的なムードを演出。どこか近未来的な要素も感じられる。
本コレクションはミニマリズムが前提。ほかにも、簡単な図形を組み合わせてデザインされた衣服が登場した。たとえば、透明なプリーツメッシュの「スカーフ」ドレスは、2つの長方形の布を2つの三角形でつなぎ合わせたもの。アシンメトリーなスリット入りワンピースも、実はシンプルな帯状の布で作られている。
カラーパレットはブラックをベースに、シルバー、アズールブルー、ピンク、ペールイエローなど、テクノの世界観を連想させるカラーをプラス。また、ミニドレスやトラペーズスカートにはアクセントとして大胆なダイアゴナル・ストライプを配し、コレクションを引き締めた。